平山ユージ Official Blog「STONE RIDER」 Powered by Ameba -6ページ目

UK Trip 2 "Why do i go to UK right now?"



Pembrokeの空は毎日青くて広かった。
想像していたEnglish Weatherとは正反対、天気を気にせずどんどん登ることができた。

しかし、なぜ今イギリスなのと思う方も多いと思う。



実は91年、92年、98年、99年とworld cupや世界選手権でイギリスへ渡っていて大会前後で登りに行く機会は十分あった。しかしイギリスの危険なクライミングスタイルのことは聞いていたからコンペで戦う自分にとっていろんな意味でリスクが高いと思っていた。

そして時がたち年齢を重ね、今の自分であればいろいろなことを受け止め、時に流しながらイギリスのクライミングを楽しめるのではないかと感じていた。

同時にJames,Carolineと仲良くなりキナバルやレユニオンの遠征でJamesのクライミングスキルの高さに驚かされ彼が育ったイギリスと言うバックグラウンドへの興味がどんどん増した。そしてThe North Face Cup 2014で来日した際に僕の方からこの遠征の提案をした。


Merica Wall E8に成功するCaroline Ciavaldini

そんな彼らも僕の提案を理解してくれ、UK tradに入り易い岩場と言うことでPembrokeを選んでくれたのだ。当初は悪天も心配していて2週間だと十分楽しめないかもしれないと伝えられていた。


3日目、E7 From a distanceをFlash

UK tradにもなれ始めたのでちょっと厳しめのルートと言うことでこのルートを挑戦。
クライミング自体の厳しさは5.12dぐらいだと思う。そこをかなり悪いプロテクションでランナウトするクライミングだった。
クライミング時間は40~50分は掛かったと思う。それは今こなしているムーブやギアのこと、これからこなすであろう頭上のこと、そして既にきめた6~7メートル下のギアのことなど予想以上に考えなければいけないことが次々と訪れたからだろう。
そして登りきったときの充実感は何と表現してよいか。。。
一本のルートを登りきった際の充実感は同じグレードのボルトルートを登る充実感を遥かにしのぐことは間違いない。これは体験してみないと分らないと思う。


E9 Something's Burningを成功するJames Pearson

易しいルートも厳しいルートもビレイ点を作るところから全ての安全は自分しだい。
トポや人からの情報を一つ一つ分析し、クライミングの際に活かしプロテクションをどの辺りにどうやってきめるか戦略を立てる。一本のルートに思いを巡らしイメージし取り組む時間も本当に長く真剣だ。下手をすれば事故に繋がる。

僕は最初の3日でイギリスに流れる冒険がベースのクライミングスタイルとその厳しさ、それ故の半端無い充実感をまずは学ぶことができたのだようだった。