「抱っこ法」と「MET」 | 白山オステオパシー院長のブログ   東京都文京区 白山駅より徒歩3分

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アトピー・花粉症・食物アレルギー・脊柱側弯症・自閉症
などにも対応致します。赤ちゃん、妊婦さんもOKです。
どのような症状でも、お気軽にご相談下さい。
 
 

  


当院には0歳児などの赤ちゃんも、さまざまな症状で来ています。


それくらいの小さな赤ちゃんだと、なかには施術を嫌がって泣いたり


手足を動かしたり、体をひねったりする子もいます。


そういった場合、私は頭部と胸骨の部分を固定した状態で、その子が


動きたいように、自由に手足や体を動かしてもらいます。


これはオステオパシーのテクニックの一つであるMET(マッスル・


エナジー・テクニック)の応用です。


ではまずMETの説明から、




METとは?

METとは、施術者が短縮した筋肉を、制限を受けている関節可動域の

限界まで持っていき、そこで相手にその筋肉に力を入れるように指示する。

そして施術者は、患者の力に対して抵抗するように力を入れる。

この動作を何回か繰り返すことによって、短縮した筋肉や周囲の組織を

徐々に伸ばしていくというものです。




このようにMETとは、患者が術者の力に抵抗するような力を入れる


ことにより徐々に組織を伸ばしていくのですが、私が赤ちゃんの


体幹を固定した状態で赤ちゃんの動くに任せて施術をするとMETの


テクニックを使うのと、同じような効果があります。


これを見た、ひとりのお母さんが「抱っこ法」というものを教えて


くれました。




「抱っこ法」とは?

1960年代にザスロウ博士によって創始された心理技法で、海外では

おもに心の交流が難しい自閉症児等の教育のために活用されてきた。

日本に紹介されたのは1980年代で、ザスロウとの共同研究者だった

カナダのアラン博士との交流を経て、当時千葉県の「つくも幼児教室」

の室長をしていた阿部秀雄(現・日本抱っこ法協会名誉会長)によって

導入された。

以来、日本では独自の発展を遂げ、自閉症のみならず、一般の子ども達の

心を育てるのにも有効な方法として確立された。

現在では、子どもと大人が心を通わせながら、共に成長していくための

心育て(心育ち)の原理として、広く子どもと関わる仕事をする方々、

ハンディのある人と関わっている方々、子育て中の父母から熱い支持を

受けるようになってきている。

抱っこ法では、表面に現れた行動の奥にある子ども(あるいは大人)の

隠された気持ちにふれていき、その気持ちを受けとめていくことによって

感情解放を促し、本来の情緒の安定・意欲・成長力等を回復していく援助を

していく。

また、知的あるいは情緒的な遅れをもった児・者の情緒的な基盤に働きかける

ことにより親子関係をはじめとした人と関わる力や学習意欲を育てていく。

抱っこ法の利点は、こういったカウンセリング的な関わりを、対象の年齢を

問わず実践できる具体的な方法をもっている点にある。




次に「抱っこ法」の一般的な進め方。

1.抱っこ法はいきなり始めてはいけません。

  お遊びをしてスキンシップをはかり、タイミングを見て抱っこ法の取り組み

  に入ります。

2.子供を抱いて、体を撫でながらこう言います。

  「今日はお母さんに○○ちゃんの気持ちを話してね。お母さんがなぐさめて 

  あげますからね」そして昔から現在までの子供の嫌だった思い出を聞き出す

  ようにして下さい。

  「これまで嫌なことがたくさんあったね。どんなことが嫌だったの?」

  反応のない場合は、準備しておいた心当たりのことを順番に言ってください。

  当っているところにきたら、子供は大声で泣き、反応を示します。

3.泣き始めたら、「しっかり泣いていいのよ。そう、悲しかったのね。

  あの時はお母さんが悪かったわ。ごめんね」と謝ります。

  すると、ますます大声で泣きます。

  時には、これまでにない悪態をつき、お母さんを蹴ったり叩いたりするかも

  しれません。

  それでも離さず抱き続け、謝り、慰め続けます。

  子供の心の中に巣くう怒りや悲しみの感情をすべて吐き出させるのです。

4.すべてについてなぐさめ、謝りぬくと、個人差はありますが五十分くらいで

  怒りの頂点を越えます。

  ふと弛緩すると、疲れきって静かになるか眠ります。

  これで抱っこ法は終わりです。どんなに暴れても嫌がっても最後まで

  抱き続け、なぐさめぬくという姿勢が大切です。

5.横抱きにして体を撫でながら「○○ちゃん、よく頑張ったね」などの言葉を

  かけてあげてください。

  泣きやむまで抱っこを続けましょう。泣きやんだら、簡単なお遊びをして

  スキンシップをはかってください。

  抱っこ法で泣きやまないときは三十分~四十分行って終了とします。


【注意】

・お話もせず、泣きもしない時でも、お母さんの話はきちんと聞いています。

 話しかけることを続けてください。

・抱っこ法の取組みの間、目を合わさないときは、あまり日数をおかずに

 必ず二回目を行ってください。(一回目と同じことをします)

・抱っこ法が終わって子供が眠りから覚めたときには、必ずお母さんがそばに

 いるようにしてください。

 そして優しく声をかけてあげてください。

 健常児の場合は、この抱っこ法で急速に変わり、1~2回で落ち着きのある

 子どもになります。

 自閉症の子供の場合は、毎週1回、5週以上試みましょう。

 場合によっては、もっと長い期間続ける必要があります。   



 ~頭も性格もいい子に伸ばす右脳子育て 七田眞 三笠書房より~






ちょっと説明が長くなってしまいましたが、こういうものだそうです。


当院にきているお母さんもやり方を習いに行って、家でもやったそうですが


かなり強い力で子供を押さえなければいけないため1回やると、へとへと


に疲れ切ってしまったそうです。


たしかに赤ちゃんとは言っても、全力を出されたらそれを押さえるには、


大人でもかなりの力を必要とします。


この「抱っこ法」の説明を読むとオステオパシーのテクニックのひとつ、


J・E・アプレジャーDOのSER(体性感情解放)を思い出させます。


私の場合、自閉症、発達障害などに関しては、さまざまな原因があると


考えているので、すべてを子供の頃の精神的トラウマのせいにするタイプ


の人達には、非常に違和感を覚えます。


上記の説明では泣いたり、暴れたりする理由を「怒り」や「悲しみ」と


していますが、私はちょっと違う考えを持っています。


自閉症などの子は構造的な問題が多いため、外部からの刺激に対して


非常に敏感になっており、抱きしめることによる刺激を嫌って、泣く、


暴れる、という行動を取るのではないかと、私は推測しています。


実際に私が施術をしていても、ある程度まで体が緩んでくると泣き止んだり


眠ったりしてしまいます。


ですから説明に関しては、全面的にこの内容に賛同するわけではありません


が子供の力に抵抗して、それを子供が脱力するまで続けるというのは、


オステオパシー的に考えて、からだの状態を整える方法論としては非常に


理に適っていると思うため、試してみる価値は十分にあるかと思います。


ただこれは非常に体力が必要な方法なので、お母さんよりはお父さんがやった


方が良いかもしれません。





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