2024年、新たな年の始まりに

 

大きな地震と共に、2024年が始まりました。

被災された方々にお見舞い申しあげます。

そして、物心共に、被災地へのサポートをして下さっている方々の愛ある行動に感謝します。

微力ではありますが、私も応援していきたいと思っています。

 

傷つき、苦しみの中にある人々の存在が、祈る人を生み、動く人を生む。

人が人を思いやり、手を差しのべることは、シンプルですがとても尊い行為だと思います。

 

 

 

 

環境も、状況も全く異なりますが、緩和ケア病棟|いまここ|での人のふるまいにも、同じものを感じます。この場を支えてくれているボランティアの方々の行動はもちろん、ナースをはじめスタッフのふるまいにもそれを感じます。病院ですから、スタッフによるケアが行われるのはある意味で当然と言えるでしょう。しかし、そのケアが生まれる場が、患者さんとスタッフの間という限定的な場を超え、いのち分かち合う人と人の間という創造性に富む場へと溯るとき、同じ様に見えるケアという行為が、全く別の力をもってくるのだと思います。

 

 

 

 

|いまここ|を訪れてくれる方々と私達スタッフの交わりの中で生まれる創造物を感じ、育んでいけたらと思っています。今年も|いまここ|をどうぞよろしくお願い致します。

 

久しぶりの投稿をお読み頂きありがとうございます。

 

 

新月の夜、先ほど旅立たれた患者さんの魂に思いを馳せながら。

 

 

緩和ケア病棟は、死を前に放たれるエネルギーを受け止める場所でもある。

 

患者さんは皆、自分自身を生きる旅をしている。その身体を通じて、持ちうるエネルギーを出し切らなければ、その肉体には終わりが来ない様に感じる。抑圧してきた感情もその一つだ。

例えば、せん妄と呼ばれる状況。自分がどこにいるのかわからなくなったり、わけが分からず点滴を抜いてしまったり、攻撃的、暴力的になったりすることもある。病気の進行や薬物や環境の変化などが、原因とされたりするが、せん妄は自分自身のエネルギーの解放とも言える。

 

患者さんが傷ついたり、スタッフが負傷してはいけないから、症状が危険な場合は、薬物によるコントロールや、やむを得ずの身体的拘束が試みられるかもしれない。しかし、決して根本的なアプローチではない。

 

かえって抱え込んだ、凄まじいエネルギーを見えなくさせ、増大させるだけかも知れない。

その力の源泉は、決してその患者さん個人のものではなく、実は私達人間が共有している、抑圧し封印してきたものと通底している沼の様にも思う。

そのエネルギーを受け止め流していくこと、沼の奥底に光を届けることこそが大切だ。

それは、患者さんであれ、ケアするものであれ、私達がより自分自身になるための旅を歩んでいる事への自覚であり、敬意であり、皆がそうできることへの祈りでもある。

 

患者さん一人ひとりが、例え癌の終末期であろうと自分を生きる魂の旅の途上にあり、それを支えケアする家族や私達スタッフ一人ひとりもまた、旅人なのだ。それぞれがより自分自身であることが、だれかの旅路の足元を照らすことにもなること。私たちの旅が共鳴し、繋がり交わりながら、大きな生命を象っていること。そこに気づき開かれていくことをサポートすることも、|いまここ|病棟のミッションでもあると思っている。

今日6月1日で、|いまここ|は1歳を迎えました。

 

夏至に向け、富士市から仰ぎ見る朝陽もだいぶ富士山に近づいてきています。

 

|いまここ|を支える、沢山の方々の尽力、サポートに、感謝します。

 

患者さんをご紹介頂いた医療機関の皆さんに感謝します。

 

そして、この場を訪れてくれた患者さん、ご家族に、感謝します。

 

ありがとうございます。

 

 

余命数か月と言われる患者さんも、コロナの面会制限で、ほとんど家族に会えないという緩和ケア病棟が多い中で、厳しい制限を

設けずに歩んできた1年。

 

それ故に、|いまここ|への転院を切望された患者さんが沢山います。

 

家族との時間、大切な人との時間が、いかに患者さんに生きるエネルギーを注ぎ込むものなのか、目の当たりにしてきました。

 

もしかしたら、こういう状況だからこそ、患者さんはご家族と、ご家族は患者さんと、より深いところで出会えているかもしれません。

 

当たり前に面会できている時に見失いがちなもの、当たり前に生きてしまう時に見落としてしまうもの。

 

そんなことに思いを巡らす機会を与えてくれます。

 

 

生と死のコントラストの中で、|いまここ|病棟が、いのちの本質に気づいていける癒しの場として進化していけるといいなと思っています。

 

これからもよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

患者さんからのご縁で、|いまここ|で三味線ライブを堪能しました!

緩和ケア病棟で、三味線が聴けるとは思いませんでした。

参加された患者さん達が、車イスで、ベッドに横たわりながら、真剣に聴き入る後ろ姿を見ていると、こちらの心が癒されます。

 

演奏者は、お坊さんで、普段は三味線片手に説法されていらっしゃるとのこと。

病棟では、演奏のみでしたが、三味線でクリアになったハートに説法が染み入るに違いありません。

説法もぜひお聞きしたい!

 

サプライズで当日誕生日だったTさんを、三味線によるバースーデーソングで皆でお祝いしました。

手作りバースデーカードも素敵です。

翌朝の回診では、患者さんからの三味線の話でもちきりでした。

 

ひな人形たちのおすまし顔もほころぶ、三味線ビートに満たされたひと時に感謝。

 

患者さんの笑顔、ご家族の笑顔、スタッフの笑顔…沢山の笑顔に触れることができた素敵なイベントになりました!

 

 

 

 

 患者さんからのご縁を頂き、ピアニストの方に、クリスマスソングのメドレーを演奏して頂き、一気にクリスマスムードが高まります。

 

 

 患者さん達が、車椅子で、ベッドで、広場に集合。音楽による癒しのひと時。 

 

 

 

 

夕方、サンタクロースとナースが各部屋を周り、皆にメッセージカードを渡し、記念撮影。 

 

 

サンタクロース役をやらせて頂くと、サンタクロースって本当にいるんだ!ということがよく分かります。

 

サンタクロースに会った患者さんの笑顔、本当に素敵なんです。

 

その瞬間、私達は、いまここにいることができる。そう感じます。

 ワクワク、トキメキ、そんな歓びの瞬間、病人ではなくなる、医療者でもなくなる。 

 

クリスマスは愛を与え、愛を受けとることを体験する日。 

 

病気もまた、愛を知る体験。 

それは自分を大切にすること。 

それは自分以外の人を大切にすること。 

 

ナースの献身を通して、愛に触れる。

 患者さんへの献身を通して、愛に触れる。 

 

クリスマスは、常に私達に降り注いで止まないものに、当たり前の中に埋もれてしまったものに、サンタクロースの力を借りて、気づける日。

 

 

 心を込めて手作りされえた作品の数々。

 

 

 

 

病棟をクリスマス色に染めてくれたスタッフの皆様、ありがとうございました。