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松野哲也の「がんは誰が治すのか」

治癒のしくみと 脳の働き

 時間をさかのぼる影響力は、量子世界にみられる非局在的な相関関係の現れです。量子は目に見えない配置で、常につながっています。未来は既に曖昧な状態で存在していて、私たちは今それを具体化しているのかもしれません。原子内粒子は、観察もしくは思考が加えられるまで、不確定な状態で存在していると考えれば、理屈は通ります。

 

 物質の変化というものを知覚して私たちは時間を感知します。脳の側頭・頭頂節合部 (TPJ: Temporal parietal junction)がこれに関与するものと言われています。 

 

 私たちは時間を逆行した因果関係が宇宙の法則に反すると考える必要はないようです。

 

 ゼロ・ポイント・フィールドと相互作用している原子内粒子の動きによって発生し、時空におけるさざ波のような形をとって光よりも早く移動する2次的波である Torsion Wave (ねじれ波)のようなスカラー波からなるフィールドが、時空の変化を可能にするのではないでしょうか。

 

 量子光学のような科学技術は、レーザーパルスを使って ゼロ・ポイント・フィールドを圧迫し、マイナスエネルギーを抽出しようとしてきました。

 電子同士が密着すると、ゼロ・ポイント・フィールドでつくられている仮想粒子の飛沫の密度が上昇します。その結果、この飛沫は電磁波状となり、時間軸を交互方向に行き来するようにすると考えられています。

 多くの理論家たちは、このマイナスエネルギーがあれば、ワープ移動やタイムマシン製造、さらには空中浮揚までもが可能になると信じているようです。

 

 

 

 

 私たちという存在の最も根本的な部分には、連続した時間というものなどないという可能性もあります。

 

 量子レベルで存在する純粋なエネルギーには、時間も空間もありません。それは、ただ、絶えず変動するエネルギーの巨大な連続体として存在します。その意味で、私たちは、時間・空間の中に生きるのではなく、私たちが時間であり空間なのです。

 

 私たちが、知覚という行為を通して意識にエネルギーを注入することで、連続体から切り離された物体が空間に存在するようになります。

 私たちは時間と空間を創ることで、独自を分離した存在にし、独自の時間を生み出しているのです。

 

 

 ウイーン大学の理論物理学者チャスラフ・ブルックネルとヴァツラ・ヴェドラルは、粒子の発生に際して特定の時点における計測は、その前や後の計測とはまったく別個なものである、という仮説をもとに、思考に関する実験を行いました。

 彼らはエンタングル(量子もつれ)した、片方の粒子の偏光を計算しました。もし量子波が、片方だけを揺らされたロープのようにくねくねとした動きをしたら、ロープが指し示す方向が偏光と呼ばれます。その時系列を計算するために彼らは「ヒルベルト空間」をもちいました。その後測定をおこなったのです。現在の粒子の偏光を計算し終わってから、彼らは前回の偏光をもう1度測定しました。1度目と2度目の測定では、偏光が異なっていました。2度目の測定を行うことで1度目の測定が変わっていました。彼らはベルの不等式は破られていることを確認したのです。

 

 

 

 ベルの不等式

 1964年に理論物理学者のベルが定式化したもの。

 「物理量は測定するまで決まっていない」という量子力学の考え方は異様であり、直感と鋭く対立する。彼らは過去に相互作用した2つの粒子のどちらか一方の測定が他方の粒子について何か言えるかという巧妙な思考実験を行つた。量子力学は正しいかもしれないが不完全だ」と言ったアインシュタインの意見を数式化したもの。

 

 

 

 別の可能性としては、宇宙におけるすべての情報はどんなときも私たちの周りにあり、時間というのはひとつの巨大な現在であるという考え方があります。

 超心理学者のウイリアム・ブロードは、未来の前兆というのは時間的転移の後退の動きではないかと考えました。未来の出来事が、どういうわけか時間をさかのぼって、今の精神状態に影響を及ぼすのです。虫の知らせが逆方向に働いて、未来の精神状態が現在に影響を及ぼすのだとしたら、時間をさかのぼる影響力に関する研究の主張は正しいことになります。

 あらゆる予知は、影響力が逆方向に動いていることの証なのかもしれません。未来に下すすべての決断は、常に過去に影響を及ぼしているのかもしれないのです。

 

 先の「時間遡行現象」(時間を逆行する影響力)は、「オブザーバー・エフェクト」を考慮すれば、量子物理学で説明できるという科学者もいます。カリフォルニア大学バークレー校の素量子物理学者ヘンリー・スタップです。彼は、量子理論にわずかなひねりを加えて、非線形量子論を用いることで、時間を逆行する影響について説明ができると考えています。

 

 量子力学のような線形システムにおいては、2+2=4 であり、システムの動きは、各部分の合計です。ところが、非線形システムにおいては、2+2 は5にも8にもなり、システムの動きは各部分の合計を上回り、予想ができません。

 彼の見解では、量子論を非線形システムに転換することで、方程式にもう1つの新たな変数(新たな要素)を加えることができます。それは人間の(レンマ的)精神です。

 

 

 物理的世界は量子レベルで存在し、精神の動きにおける「統計的」リンクと「傾向」によって揺れ動きます。たとえテープに数字が記録されても、その数字はあらゆる可能性を秘めたいくつかの伝達経路に分岐するのです。人がその数を見ると、脳の状態もいくつかの伝達経路に分岐します。そして、本人の想念がその中から1つの経路を選ぶことで、複数の経路は単一に集約されるのです。

 

 

   人間の意思は、いつ何時であろうと、現実を創ると言えましょう。

 

 

 生命は、物質の秩序ある一貫性をもった変化といったダイナミックな律動の上に成り立ちます。

 

 イメージすることは、<気>として形態の創造に関与することでもあり、身体の生化学的反応の流れに影響を及ぼしますが、それは、創造のプロセスが内的秩序の精妙なレベルから起こり、いくつものレベルを通過して、最終的には外的秩序にその姿を現すためです。

 イメージすることは、病をつくり出すだけでなく、それを治すこともできるのです。

 

 私たちが、何かを願い、そうあってほしいと意図することは、外界にもはたらきかけます。

ですから、私たちの意識によってのみ 現実が創造される と置き換えてもよいのかもしれません。

 

 

 もっとも、後述するゼロ・フィールドのネットワークにどこまでアクセスできるかは、私たちがどの程度まで深いレベルで変性意識状態に入り、同フィールドと一体化できるかにかかっています。

 あまり適切なたとえではないかもしれませんが、振動する音叉が、もう一方の音叉と共鳴するとしましょう。両者間に振動がひき起こされるのは、2本の音叉の形や大きさといった特性が似ている度合いに依存します。ですから、ホログラフィックな構造をもつ内的秩序のなかにほぼ無限に存在する情報のうち、1個人の意識が捉えることができるのは、極めて限られた範囲内のものとなってしまうのです。