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すまいのレシピ【すまレピ】 パリ便り

【フランス】パリの最新インテリア、インテリアアイテム、家具、インテリアコーディネートからパリの日常まで、現地特派員が様々な情報をお届けします♪

バスチーユ広場の塔が見える、交通量が多い大通り。
このパリの中心地と住宅地を結ぶ大動脈の中程から、がっつりと車両通行止めになっています。

ここ数年、パリは市長のイニシアチブの元、自動車の規制が進んでいます。
許可されていた路上駐車のスペース、セーヌ川沿いの自転車専用レーン、パリ市庁舎やルーブル美術館の並ぶリヴォリ通り…それらは着々と一般車両の通行が禁止され、自転車専用レーンや歩行者通路に様変わり。近場まで、と思って頼んだタクシーもうっかりすると大回りをする羽目になります。


しかしこのご時世、大都会パリの混雑した公共機関の利用をなるべく避けたいという人には、徒歩や自転車での移動は、ポジティブな選択肢の一つかもしれません。
工事によって剥がされたアスファルトの下には、いにしえの石畳の姿。
かつてはバスや自動車がびゅんびゅんと走っていた通りに徒歩で降り立ち、深呼吸。なぜか一瞬タイムスリップをしたような不思議な気持ちになります。

 

 

 

cas contact(カ・コンタクト)。フランス語で「濃厚接触者」にあたる単語です。

もうここ2年は、何度も聞いたり口にしたりで流行語状態ですが、もし学校や職場で「カ・コンタクト」になってしまったら?政府から定められたルールに則って行動することになっています。

 

この「カ・コンタクト」ルールがなかなか複雑なのですが、私の場合でいうと、「カ・コンタクト」+「ワクチン3回接種済み」なので、「直ちにPCRもしくは抗原検査」+「陰性の場合は隔離の必要なし」+「2日目・4日目にキットで自己検査をすること」というプロトコルになります。

 

備えあれば憂いなし。いつ、家族がカ・コンタクトになっても困らないように、検査用のキットをスーパーで購入して、ストックしておくことにしました。

 

私が手に入れたものは一箱5回分入りで、1回分は約200円。学校から職場から送られてくる「カ・コンタクト」になった旨の証明書があれば、無料で手に入れる事もできます。

 

 

中に入っている鼻腔用スワブは、PCRや抗原検査で使われるものよりは随分短いですが、検査のたびに毎回鼻血を出しているので、自分で勇気を持ってグッと奥までこれを入れることができるのか…ビビりつつ、兎にも角にも、このキットを使わずに済むことを願っています。

"bla bla bla(ブラブラブラ)"とは、フランス語でお喋りをする様子を形容するオノマトペのひとつ。「ぺちゃくちゃ」というよりは、「あれこれ、なんやかんや」という印象を受けます。

 

フランスも日本同様、自動化レジが普及しています。特にこのようなご時世下、パン屋さんのような小規模店舗でも、自動的にお釣りの出る機械がぐっと増えましたし、タッチ決済もカードだけでなくスマートフォンを利用する人も、それなりに見かけます。

 

そんな効率化が進む中、「bla bla bla caisse(ブラブラブラレジ)」というものの試みが、ヨーロッパやフランスでも少しづつ進んでいるというニュースは、私も生活の中で耳にしたことがありました。

自動化レジよりは並ぶ時間を要するけれど、レジの方と「いいお天気ですね」ぐらいの会話でもしましょうよ、という、いわばスローレジ。

リモートワークが続く人や一人暮らしのご老人、学級閉鎖が続く小さな子供を持つパパやママたちが、社会から取り残されることないように他者とコミュニケーションを取るために、なかなか前向きなアイディアです。

 

改めて、この件が特集された新聞記事を読んでいると、「自分は会話するには不便をしていない日常を送っているけれど、この試みを支援するために、おしゃべりレジを利用する」と、インタビューに答えていた方がいました。

自分には必要がなくても、必要としている誰かのために行動する。

『孤独』の対義語は『連帯』であることを、深く考えた朝のひとときでした。

 

ちなみに、「ぺちゃくちゃ」のオノマトペは "patati patata(パタティ・パタタ)"。

フランス人はどちらにしても、お喋りが好きそうです。

 

カフェ、カフェノワゼット、カフェアロンジェ、カフェクレーム…。

フランスのカフェにある飲み物は、どこもおおよそ同じものを置いています。

 

小腹が空いているけれど、ケーキをいただく気分じゃないな。

と、いうときに頼む定番が、カフェ・ヴィエノワです。

 

 

つまりはエスプレッソに生クリームのホイップが乗ったウインナーコーヒーなのですが、

経験則ではガラスのグラスに入れられて出ることが多く、生クリームはパフェと見紛うほど盛り盛り。

エクストラホイップではお願いしていないですよ!どのお店も大抵デフォルトでこの感じです。

 

下に沈んでいるカフェはもちろん熱いのですが、1つ目のお店のようにストローが共されることも少なからず。

油断してそのままチュッと飲んでしまうと、やけどの危険もあるので要注意です。

 

ではどうするかと言うと、まず私はコーヒースプーンで生クリームの山を掘削してそのままいただき、

コーヒーの層が見えたら少しずつクリームと混ぜて、グラスに口をつけていただいています。

これが、乾燥した寒い冬のパリの街歩きの途中に沁みるんです。

 

 

ちなみにショコラショー(ホットチョコレート)の上に生クリームが乗った、更にひとつ上を行くカロリーおばけの飲み物は「ショコラ・ヴィエノワ」になります。

甘いものをめちゃくちゃ欲している!時には、ぜひに。

国政選挙からガソリン自動車まで、歴史で「世界初」をうたう物は数あれど、消費税の導入もフランスが世界初だということを、つい最近知りました。

それにしてもフランスの消費税は複雑で、私も「これが何%で、これが何%で…」と、考えてお買い物することは、ほぼありません。

自炊する分の食料や日用品は軽減税率が適用されて、テイクアウトのバゲットとイートインのサンドイッチでは、後者のほうが税金が高い…と、言われてみればなんとなく考える程度です。

 

 

バレンタインも近いことなので、チョコレートで例えてみましょう。

 

カフェで飲むショコラショーは10%。「外食」の範囲に適用されます。テイクアウトであれば5.5%です。

 

ショコラトリーで買うようなボンボンショコラは「贅沢品」なので、20%の課税。カカオの含有率によって、贅沢品であるか否かのラインが引かれているそうです。

ただし、家庭で作るための製菓用のチョコレートは「生活必需品」なので、カカオ豊富なブラックチョコレートでも軽減税率が適用されて5.5%。

テイクアウトでカカオ率高めの贅沢ショコラショーを買うとしたら…?

 

なんだか色々考えていると、糖分が必要になってきました。