先日、京劇の厳慶谷さんの講演を見に行きました!
今年は、厳さんの道化役が主役となる演目を1年通してシリーズ化するプロジェクトがあり、
その一つが、この‘佛手橘’。
佛手橘は、ベルガモット精油の原料にもなっていて、
中医では気道への効能があるとされ、アールグレイの香りがするそうです。
あらすじは、南宋の時代、皇帝が病気なり、その薬を求める為に、南宋の武官が
北国の金の皇帝に‘佛手橘’を分けて貰えないかと訪ねに行きますが、捕まってしまいます。
時を同じくして、南宋の元帥が夢占い師と酒食を共にしている時、神出鬼没の盗賊
‘半突飛’こと、邱小義に銀の壷を盗まれてしまいます。
その盗みのテクニックを見込んだ元帥は、盗賊:邱小義に、金国に出向いて武官の救出と
‘佛手橘’を盗んできて欲しいと頼みます。
それに、武官のお嬢様と、元帥のご子息が同行して、見事、武官を救出して‘佛手橘’を
手に入れて戻ってきます!
厳さん演じる盗賊:邱小義は、小さい頃に親を亡くし盗賊として生きてきたのですが、
一流の盗賊に成長し、なかなか粋で身軽でカッコいいのです!
軽ーく実務をさっとこなし失敗がなく、若い人達のやる気や成長を見守ったりする
なんだか現在でも通じるデキる人なのです。
2時間半くらいの長丁場ですが、時間を忘れるほど軽めのタッチでおもしろく、
終演後は心が軽くなったようなさわやかな印象でした。
厳さんの目指す京劇の新しい一つの形は、もしかすると、
スーパー歌舞伎ならぬスーパー京劇なのかもしれません。