横浜 桜木町で活動しているパーソナルトレーナー 戸井田桂です。
Aさん「こんな風にやってみて?」
Bさん「よく分からない」「上手くできない」
Aさん「何でこのくらいの事ができないんだ…」
Bさん「そう言われても…」
トレーナーとクライアント、コーチと選手などの関係において、このような寂しいやり取りを経験された事はありませんか?
指導者側にとっては大して難易度の高くない事でも、教わる側にとっては非常に難しいという場合があります。
中には指導しても上手くできない相手に対して感情的になってしまう指導者もいるようですが、ここでイラついてしまっては良好な関係は築けませんよね。
さて、他者に対してエクササイズやスポーツのテクニックなどの何かしらの動作を教える時には、いかにして「コツ」や「勘」を掴んでもらうかが大事。
解剖学やバイオメカニクス的な視点から動作を理解する事は大切ですが、それに則ったアドバイス通りに行ったつもりでもコツが掴めないままではいまいちピンときません。
もしくは、言われた事は理解しているつもりでも、身体が言う事を聞いてくれない…などといった現象が起きてしまう事もあるでしょう。
人には感覚というものがありますから、特定の動作に対する認識は人によって様々なのです。
何度も動作を反復する中で、たまたま「これだっ!」と思えるコツが見つかればまだ良いのですが、いつまで経っても出来るようにならない場合もありますよね。
このような場合に「センスがない」と片付けてしまうのは早計であり、やはり指導者側が工夫をすべきです。
動作の仕組みなどを理解しておく事と共に、感覚を共有する事ができないとコツや勘を掴ませる事はできません。
指導者は、自分が「理解していなくても当たり前に出来てしまう事」をきちんと理解し、それをしっかりと自らの身体で味わった事があるからこそ、一人一人に合わせた指導が出来るようになるのではないでしょうか。
エクササイズや競技のテクニックを科学的な視点で見るだけでは、その動作の上澄みしか見れていないのだろうと思います。
〜続く〜