the 100 tiles -2ページ目

the 100 tiles

タイル作家 巴誉のブログ。時々うつわ、模様のデザインも。


小さい頃、私は塗り絵が大好きでした。

お姫様とか動物とか、塗り絵本をみんな持っていたと思いますが
全ページ、最後まで、きちんと塗り終えたことはありますか?

なかなか無いですよね。
小さい子は忍耐力も低いし、塗り絵本の中でも
やっぱりメインになる華々しいページと、そうでないページはありました。

しかし私は常に、全ページを塗りきる子供でした。
最後までやりきりたい。という思いと
この頃から片鱗が見えた…埋め尽くしたい衝動。

面白くないページは、塗り甲斐のある絵に変える。
例えばお姫様のスカートにリボンやレースを描き足す。という具合。


そんなこんなで。どんなこんなか。
模様を描くのが好きな子に育ちました。
思春期の教科書には、偉人の顔に髭を描かずに、エッシャーの模写。



私がタイルを作るのは、模様を描きたいからです。
素材は何でも良かったんです。紙でも、布でも。
色々な巡り合わせで、土に模様を描く人になりました。

でも、ろくろが挽ける訳でも無く、陶芸を学んだ事はありません。
タイル作りはほぼ独学です。
それでもやはり、目の前で日々向き合う行為は陶芸の一部だし
焼き物を知りたくなりました。



二年ほど前からお世話になっているのが、大阪にある[普限窯]。
薪窯で焼くという事。だけでなく、本当に多くの事を教えてくれる場で
私の世界は広がりました。



この窯で焼かせてもらった作品を
普限窯のメンバーの方々に混じって展示させていただきます。


第9回 TEAM普限 作陶展
2018.7.25wed-29sun
10:30-18:30 ※最終日は17:00まで

ぎゃらりぃホンダ
大阪府堺市中区深井沢町3134




明日からです。
写真は本日の搬入中の様子。
尊敬するK親分をチラリズム。

私は最終日の29日に在廊します。
お近くの方、陶芸にご興味ある方、ぜひぜひお立ち寄り下さいませ。








ワタクシ、田舎もんではありますが
幼少からバイオリンを嗜んでおりまして。

真剣に取り組んだのは十代まででしたが
現在でも時たま弾いては気分転換をしたりしています。

お教室に通っていた頃は地獄だと思っていましたが
今は楽しみのひとつですし、聴くのも大好きです。
鬼の形相で練習をさせてくれた親に感謝ですね。


ベタなんですけれども。
大好きなバイオリニストがいて。

音色は勿論。世界でもトップですが
生き方というか…精神性に強く憧れていて。
もう本当に彼女の厳しさと優しさにフルフルしてしまいます。

ベタなんですけれども。(2回目)
五嶋みどりさんです。


先日、彼女のコンサートに行って来ました。
本当はバックにオーケストラを従えた大ホールも聴いてみたいですが
悲しい懐事情なので…チャリティー系のコンサートに毎年行かせて頂いております。

今年で何度目でしょうか。
ちょっと思い出せませんが、年に一度の待ちに待った"みどりday"。


最高でした。
毎回毎回、来る人を満足させられるって
一体どれ程の力を持ち合わせているのでしょう。

幼い頃から世界中に注目され、バイオリン浸けの生活に
彼女が精神的にも苦労し続けていたのは有名な話ですが

そんな、人生の辛さを最も与えたであろうバイオリンを
この人は…なんて嬉しそうに、慈しむように弾くのだろう。

なんて強く、美しい音を奏でるのだろう。

想いが人に与えるものって、物理的な何もかもを超越した説得力があって
何よりも大事な表現なのだと改めて感じました。

ものづくりは形で表現する職業だけれども
私もひとつひとつ想いを込めて、魂を込めて制作して行こうと思います。


揺るぎ無く芯の通った彼女の生き様を
今年も肌で感じられて本当に幸せでした。

また一年後。







インプットとアウトプットは同量がいい。

クリエイティブな先人達がよく口にする言葉。
私もそれを信じているし、実感しています。

でも何故だろう。
そのバランスは、いつも取れないのです。

人の生き様や言葉。生み出された作品。
日常の出来事、自然の姿。
衝撃を受ける経験は、思いの外…ある。

そうやって雑食に飲み込んだ多くの情報を、果たしてどれだけ消化出来ているのだろうか。



脂の乗った時期。
社会では、30~40代はそう表現される事が多い。
一線で働く人達は、アウトプットばかりで空っぽになりかけていると言います。

25歳の時、私は「好きな事を仕事にする」と決めました。
人生の3分の2の時間(働いている時間)を、我慢に使いたく無いと思ったから。

今、私は毎日、好きな事をして生きています。
旅行をするのも、博物館に行くのも、花鹿(愛犬)と散歩しながら見る景色から季節を感じるのも、大事な仕事。インプットしまくり。
それなのに、値しないモノしか産み出せていない気がする。



問題は、インプットした多くの情報を咀嚼しきれていないという事。
”バカの壁”なんです。
わかったつもりで、理解していない。

どれだけインプットしても、アウトプットに活かされない時。
それが自分で分かる時。
とんでもなく、もどかしい。

でも、ふっと何かがハマる時。
何年も前に漠然と眺めていた世界が、急に感じ取れる時。
すぐに動ける身軽さで居たい。


ーーー
今回の個展は、そんな沢山のインプットの一部が
少しだけ、形に出来たのではないかな…と思います。私の中で。



花鳥絵図 -春-
2018年3月17日(土)ー25日(日)
10:30ー17:30 会期中無休
tricoter+  /トリコテ
広島県福山市赤坂町赤坂1214-11

私と花鹿は17日(土)終日と18日(日)の昼過ぎ頃まで在廊します。

トリコテさんでの個展は今回で3回目。
いつもドタバタの私ですが、毎回優しく励ましてくれるので
図々しく甘えて、毎年発表の場をお借りしています。

のどかな風景の中にある、小さな雑貨屋さんです。
常設の作品や古道具も、見応えあって楽しいですよ。

春の優しい草花を描きました。ぜひ、足をお運び下さいませ。
お待ちしております。

ーーー


もぐもぐ。もぐもぐ。
そして、アウトプット。

もっと固いもん食べなきゃな。