学生を追い出すこと | 北加発:アメリカ合州国、教育、人々、その他、なんでも

学生を追い出すこと

息子と話をするたびに、思いもかけなかった事件が大学の中にはあるのだということに気づかされます。最近、息子は大学全体の2012年度のRAの採用審査の責任者となって、準備を進めているようですが、そんな大忙しのなかに、こんな事件があったそうです。

学生A君の親からは、後期の授業料の支払いが遅れていたので、大学の会計課からは、親に数度の督促をしていたのですが、そのたびに、何日までに、払います、今日、郵送しました。きっと、郵便局でなくしたのね、、、、というような口先の言い訳の数々があったそうです。そうこうするうちに2月になり、大学のほうついに、堪忍袋の緒がきれて、期限からすでに大きく遅れているため、これ以上は待てない、授業料が払わていないのであれば、学生には退学してもらうという事態になってしまったそうです。

そこで、大学からの退去命令を学生に告げる役目の白羽の矢がたったのが、彼が住む寮を管理している息子でした。彼は確実にA君を捕まえるために、彼の履修している授業科目を調べて、ある科目が終わるころに教室の外で待ちうけ、オフィスに同道してもらい、授業料が未納になっていることを伝え、その結果として2週間の猶予は与えるけれども、その期限が来た時点で大学から退去するように、伝えたそうです。この事件の悲しいところは、このニュースが、A君にとっては晴天の霹靂で、まったく予想もできない大変なショックだったことでした。というのは、彼の親は、金銭面での問題を彼には全く告げずに、お金のことは大丈夫と、全く不安を彼に抱かせるようなそぶりもなく、子供の彼もそれを信じていたからです。

息子は、A君ははじめから、某LACに来るべきではなかったという感想を言っていましたが、息子にしても”I felt sorry for him but I had to do my job.”という複雑な思いもあったようです。

それにしても、随分と無責任な親もいたものだと、私などは、あきれるばかりなのですが、1年生のA君の残りの3年半の学費のことは、入学時には考えていなかったのでしょうか?