Deanが知っている学生 | 北加発:アメリカ合州国、教育、人々、その他、なんでも

Deanが知っている学生

今回も、某LACの内輪の話ですから、口外は無用ということでお願いします。

昨年のいつか、某LACのDean of Student Affairsが、ある大都市で大学入学セミナーの参加したときのことですが、ある応募希望の高校生がお母さんとやってきて、某LACについていろいろな質問をしたそうです。そのときに、このDeanはその生徒の在学する高校を尋ねてみて、「ああ、その学校なら知っています、去年度入学したK君の卒業した高校でしょう。」といったら、お母さんは、さすが小規模大学のLAC,Deanも学生一人一人のことを知っているのだと、感心していたそうです。さらに、このDeanが、「実は、K君は入学してから、同居者とそりがあわなかったので、部屋替えをしていますね。」と言ったところ、お母さんはさらに感服して、「k君のお母さんからも、その話も伺っています。」という反応で、大きくうなずいていたそうです。

これだけの話であれば、LACは面倒身の良い大学、職員も教授も学生それぞれのことは熟知している、メデタシ、メデタシといったことになるのですが、実はこれには裏話があったそうです。実は、このK君は、ルームメートのB君と恋の鞘当をしていて、どちらも譲らず、喧嘩騒動が絶えないために、ついにはDeanが出動して、K君とB君は、別々の部屋に、またK君、B君、Cさんの3名は、一定の物理的な距離を保つこと、同じ建物の中には、どの二人の組み合わせでも、いてはいけなというDeanの命令がでたそうです、したがって、Deanにとっては頭痛の種だったひとりのK君のことは、出身高校からなにからたまたま熟知していたわけですね。

もちろん、このDeanはなぜ、K君のことを良く知っているのかという理由は、大学にとってのよい誤解を助長するために話さなかったわけですが、、、、

さて、次のお話は、大学の規則についてです。

学生の成長とその教育いう観点から、いつも判断をしている某LACでは、「例外のない規則はない。」という句に正直に沿って決まりの運用も行っているようです。たとえば、新入生の飲酒は、自動的に親の通知が行くという規則になっているわけですが、たとえば、親が戒律の厳しい宗教の聖職者で、飲酒は神の意思に反し、もしこれを破れば、子供も勘当するといった価値観を持っているような場合には、大学側がこのことも勘案して、処罰を決めているといいます。このあたりが、決まりと教育、処罰と矯正の兼ね合いの難しさなのだと思いますが、大学の姿勢としては、矯正と教育が第一の責務だということなのだと思います。

CSUのなかのある大学では、未成年の学内での飲酒は、自動的に退学処分だというお話を前に伝えたと思いますが、この対処と、某LACの対処には、大きな隔たりがあります。