Diversity とDialogue | 北加発:アメリカ合州国、教育、人々、その他、なんでも

Diversity とDialogue

近年はDiversityが重要な案件だと大学の入学審査の前面にでて、人種、宗教、民族、階層、性的な嗜好、政治的な傾向などに違いのある学生をあつめることに、大学の努力が払われてきました。この結果、大学のなかには、いろいろな学生が集まって、それぞれの背景から意見を述べる、ほかのグループと意見を戦わせるというように、キャンパスが活発化して、お互いに学ぶことも多くなり、それなりに成果が上がってきているわけですが、この反面、とくに自分以外のグループと接触する機会の少なかった学生のなかには、新規の体験をうまく乗り越えられないで、摩擦を起こすといった反応をしめす者もあり、その建設的な対応を大学が考えなくてはいけないという状況も生まれてきました。

そこで生まれたのが、前にもお話したInter-Group Dialogueと呼ばれるセミナーです。これは、違った背景を持つ学生たちが小さなグループで会合して話し合い、討論することを通じて相互理解をふかめ、それによって無意味な誤解、摩擦や軋轢を未然に防ぐためのものです。Dialogには司会がいて、進行係、仲裁約といった機能をもっています。州を代表する大きな大学では、どこでもこのセミナーはあるようで、息子が行ったUCLAにもあり、彼は院生インターンの仕事としてこの進行係をうけもっていました。その経験を生かして、現在の某LACでもDialogのクラスをはじめることになり、これからは2つのクラスの責任をもつことになります。

このDialogueの様式は、U Michiganで生まれ育ったらしいのですが、息子はこの大学の研究所が主催して大学近くの町で行われたDialogに関する会議に出席してきました。3日半の会議だったそうですが、中身の濃いもので、毎日終わるとご飯をたべては、バタン、キューの状態だったとか、、、、出席者は60名ほどで、中級職、あるいは上級職の出席者が多く、初年度職員のひよこは彼だけだったようした。ただ、なかにはU Pennに在職するUCLA院の出身者もいて、共通の知り合いを確認したりで、結構楽しんではきたようです。

このプログラムを創出したU Michiganでは、毎学期、40時間にわたるこのDialogueのプログラムが25名の進行係によって同時進行しているそうです。400-500名の学生が学期ごとにこのプログラムの経験をしていくというのは、ものすごいことだと思います。この州でもっともDiversityの面で先進的な教育をしているとみなされているUCLAにしても、学生数では学期ごとに100名ほどだと思います。

某LACでは、未熟者ですが、ただ一人のDiversity Officer(しかもパートで)が息子なので、こんな大仕事にも取り掛かっているわけですね。