面白かった!今年の第1四半期ナンバー1

まず、主人公の名前があの栄枯盛衰の“藤原道長”、妙にリアルに東京近郊ニッチを徘徊するリポート日記のような感じではあるが。いかに小銭でサバイバルしていくかの指南として、北区の飲み屋や水道橋の立ち食いそばなど、固有名詞満載で楽しかった。

随所に薀蓄が語られているし、美魔女倫子さんとのくだりなんぞ何故かわくわくした。

ラストもハラハラする展開で読んでいる側も息苦しくなったが、なんとか生き延びていてホッとした。宮古島からの続編を是非書いて欲しい。

★★★★★

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大手銀行に勤務する藤原道長は、行内で背任の容疑をかけられ、妻と娘を残し失踪する。サラリーマン生活の離脱初日は優雅に鮨をつまみ高級ホテルへ、翌日からは下町の酒場、公園の炊き出し、路上、そして段ボールハウスへ──。所持金ゼロで生き延びるためのニッチ(適所)はどこにある? 東京をサバイバルする実践的サスペンス。

ニッチを探して