明治維新後の川越が舞台なんだけど、池波正太郎を読んでいるような感じだった。へぇー川越って舟運で栄えたんだ~といった歴史も楽しめる内容。ひとりひとりのキャラクターも良く描かれていて、読後の爽快感あり。なんか自分もジジイになってきた証なのかも知れない。

★★★★☆
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明治十年、にわかに湧き立つ蒸気船就航の計画。深川ー川越を舞台に、新しい時代に遅れまいと夢を馳せる人々。圧倒的なスピードと積載量をほこる川蒸気船は是か否か?真っ黒な煙を吐き、派手な外輪音をとどろかせて進み来る川蒸気は近代化の嚆矢という。だが、何かが違うー。秘められた謎に迫る、回漕問屋旭屋の大将と河岸の人々。店の帳場に掲げた「華舫」の扁額に込めた男の真意は?華舫