今夜、参議院で安保法案が可決された。このことが未来から「あの時あの法案が可決されたのがこんな時代になってしまった。」という後悔を呼び起こすことが無いことを祈るばかりだ。

そんな夜にちょっと読みかけていたエッセイを読み終えた。現実逃避するにはピッタリだ。

内容は土屋先生の青春時代と哲学に進んだ理由を駒場寮の破天荒な生活を描きながらも官僚を目指して東大文一に入学したのに、読書と音楽と美術に心を深く揺さぶられ、麻雀三昧と自堕落な生活から次第に思索に嵌っていく様子が描かれている。大学に入学したばかりの多感な時期に出会うものの大切さについて考えさせられる。頭がおかしくなりそうなほどかたちについて考えてしまう感受性に驚かされる。後半は読書歴やジャズなど音楽歴が披露されドストエフスキーが読みたくなるしジャズが聴きたくなる。今やれっきとしたジャズピアニストでもある土屋先生は憧れの人生の先達である。

★★★★☆

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寄天烈な寮生たち、麻雀、ジャズ、ドストエフスキー、『存在と時間』…。ツチヤ教授のバカバカしくもどこかせつない青春の1ページ。初の自伝的エッセイ!

哲学者にならない方法