モノガタリを読んだどぉー!という感慨に耽ることができる作品。

100年を超えて引き継がれる狂気のモノガタリ。

したがって読後の爽快感ゼロ。でもこの著者の若さに「才能」が眩しいくらい煌いている。

★★★★☆

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ある日、小学生の同級生・井内と晴男は、迷い込んだ森の中で青田という謎の男に出会う。その「妻」が身につけたラピス・ラズリの輝きに導かれるように、町の歴史に埋もれた物語は静かに繙かれる。ロシア商人ウォロンツォーフと日本人妻の悲恋、青年アレクサンドルと人形の倒錯した愛、あやうい男女の友情をめぐる青田の過去、そして現在。電波塔に見守られる架空の土地を舞台に、一〇〇年を超える時間と愛の狂気を描く、壮大な物語。第52回文藝賞受賞作。驚愕の新人登場.

地の底の記憶