1週間の通勤時間帯で読了。先が気になる安定した堂場ワールド。
内容は新聞記者と刑事が、かつて見過ごしてしまった同級生の心を救おうと、互いの立場を超えて奔走する復讐劇追及物語。横たわる市長一族の利権と市の私物化を暴く話でもある。でも、それぞれの要素に対する動機づけが弱い、特に夜逃げした女子を引き留められなかったことに対する贖罪要素が根本だけど、「えっ、それほどのこと」と思ったので、モヤッとしながら読み終わった。
★★☆☆☆
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新聞社の支局長として20年ぶりに地元に戻ってきた記者の福良孝嗣は、着任早々、殺人事件を取材することになる。被害者は前市長の息子・野本で、後頭部を2発、銃で撃たれるという残酷な手口で殺されていた。一方、高校の陸上部で福良とリレーのメンバーを組んでいた県警捜査一課の芹沢拓も同じ事件を追っていた。捜査が難航するなか、今度は市職員OBの諸岡が同じ手口で殺される。やがて福良と芹沢の同級生だった小関早紀の父親が、20年前に市長の特命で地元大学の移転引き止め役を務め、その後自殺していたことがわかる。早紀は地元を逃げるように去り、行方不明になっていた…。
十字の記憶