今週はこれを読んだ。いつもならこの書評には掲載しない類だがあえて載せてみる。東北人必見とりわけ会津人必見であろう。戊辰戦争における慶喜と容保、あえて革命の「血祭」にあげられた会津の悲惨さ、その後の冷遇が胸に痛い。「東」「蝦夷」といわれ軽蔑されてきた東北人はどこかで目にもの見せてやりたいところだが、現実はなんとも歯がゆい。それはともかく紀行・歴史が好きな人にはたまらない一冊。
>★★★★☆
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東北は「日本」という国家にとって、まさしく千年の植民地であった。
西の人である司馬が抱えた東北への贖罪意識は、司馬その人の精神の深みに根差したものではなかったか。
震災後、真の復興において根底に敷かれるべき思想を問い続けてきた著者が読み解く、司馬遼太郎の東北紀行。
東北を行く