割と厚い本だったけど会話部分が多いせいか余白も多くすぐに読み切った。

こんなヤツそうそういないと思いながらも自分の中にいる気もしてぞっとする。

娯楽性に富んでいて何か実になるとか心に残るとかは無いけどもとにかく面白い。読者に嫌悪感を抱かせる人物を書かせたら右に出るものはいないかも知れない。

そういう意味でこの作者の想像力はスゴイ。ただし読後の爽快感や「なるほど」感は皆無。

★★★☆☆

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15歳の女子高生・本庄沙耶の父は自己中心で小狡く、母はまるで父の奴隷だ。その両親が突然家に侵入してきた男に刃物で惨殺された。さらに、一人になった沙耶が身を寄せた親戚―10年前に幼い弟を不注意で溺死させた祖父母、沙耶をレイプしようとした従兄、それを見て見ぬふりする叔父も次々と死亡する。ネット上では沙耶を励ますスレッドも立つが次第に「疫病神」「死神」と揶揄する声も囁かれる。不可解な死の連鎖の中心に身を置く沙耶。果たして彼女は“悲劇の天使”か“美しき死神”か?それとも…。