「海に父がいた」
Cedric Bihr 写真展
日程 2018年11月16日~28日(月曜休廊) 11:00am-6:00pm
会場 ギャルリー田澤 ダ・コテ
父と海
我が家には大きくはなかったが、5人乗るには十分な大きさのヨットが有った。
毎夏、そのヨットでセイリングをしながら停泊できそうな入り江を探した。
そこでは父が僕ら兄妹にシュノーケリングのみならず、ダイビングもさせてくれた。
それは僕が6歳になった年。
洋上のみならず海の中、海に囲まれたところで僕らの夏が経過して行った。
僕が月明かりの海の景色を写真に収める時に夜の暗闇の訪れを待ち、
そしてイメージ通りの画面が決まるまでの数時間が、今は亡き父と一緒に過ごせる瞬間だ。
真っ暗で、誰もいない、でも心は落ち着いている。
目に入る海の景色より海が語り掛けてくる音が良く聞こえる…
まるで僕と父の関係の様に。
セドリック・ビエル
セドリック・ビエル -Cedric Bihr-
写真家。1975年フランス、ピレネーに生まれる。
Paris6Jussieuで認知科学科卒業。学位は修士。
その後、カナダのMICUで鯨の研究をしながらサイエンス・ジャ-ナリスト
としてナショナルジオグラフィックに勤務。彼の取材の場所には必ずノートと
カメラがあり、世界中を飛び廻っていた。
2007年にフォトグラファーとして、新しいキャリアに踏み出す。ルポルタージュ
から学んだ多くの事を大切にし、ヨーロッパ、アメリカで数多くのコマーシャル
の分野で活躍。
2016年、エルメス社のフォトグラファーコンペティションにて選ばれる。また
「GQ」「ヴォーグ」「ニューヨークタイムズ」「Mルモンド」などの媒体でも
表紙や特集で数多くの仕事をしている。現在もフランス側バスク地方の小さな
村、ゲタリーに暮らしている。カメラを持たない時は、サーフィン、ボート、
そして海を眺めての読書の時間を楽しんでいる。