動きを抑えた地味目な作品だと思ったら、
戯曲「ダウト 疑いを巡る寓話」がオリジナルだそうで、
その作者ジョン・パトrピック・シャンリー自身が
本作の監督にも当たりました。
「カトリック学校」を舞台にして、敬虔な信仰の世界を
描いています。 ここに登場する三人は、
○カトリック学校の厳格な校長/メリル・ストリープ/
○進歩的で人気のある神父/フィリップ・シーモア・ホフマン/
○若い教師(シスター)/エイミー・アダムス/で、
その三人の演技には観客を引きずり込むような迫力が
感じられます。 (三人ともがAW演技賞にノミネート)
ですから、これだけでも「見て損はない」ということになりそうです。
自分が目撃した行動から、神父が黒人生徒と性的な行為を
持ったのではないかと直感した若い教師が、このことを
厳格な校長に告白したことから端を発しました。
十分とは言えないものの、知り得た情報から、その疑心を
確信に変えた校長は、その神父を問い詰めていきます。
ところが、神父はそれが単なる勘違いであると具体的に
説明を加えます。
神父のそうした言動によって、若い教師の疑心は次第に
氷解していきますが・・・一方の校長の「疑心」は、逆に
一層強いものになっていきました。
~神父の説明が正しいのか、それとも校長の疑心が正しいのか?~
いったい、ことの真相はどうだったのか?
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「ダウト~あるカトリック教会で~」 2008年
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監督:ジョン・パトリック・シャンリー
左から)メリル・ストリープ/フィリップ・シーモア・ホフマン/エイミー・アダムス
本作は一応「フィクション」の位置づけ(時代は1964年)に
なっていますが、2015年作品「スポットライト 世紀のスクープ」では、
信仰界における性的ハラスメント・スキャンダルが実在(2001年)して
いることを真正面から取り上げていました。
また、つい最近(本2018年)も同様のニュースが報道されていました。
~神父(教会では絶対的な存在)による児童約1000人への
性的虐待がペンシルベニア州で発覚。
そのほとんどは時効のために起訴されることはない・・・~
こうした神父たちに神罰が落ちることはないのでしょうか?
いずれにしてもこんな表現になりそうです。
~聖職者による児童への性的虐待問題で、21世紀のカトリック
教会は大いに揺れている~
アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。
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