アメリカ国民の間にベトナム戦争に対する疑問や反戦気運が
高まっていたニクソン大統領政権下の1971年、マクナマラ国防長官の
指示によって作成された最高機密文書、通称「ペンタゴン・ペーパーズ」
の存在がニューヨーク・タイムズ紙によってスクープされました。
ワシントン・ポスト紙の発行人のキャサリン・グラハムと部下である
編集主幹ベン・ブラッドリーは、それについて報道することの
重要性を理解し、ニューヨーク・タイムズが掲載しなかった残りの
文書をマクナマラ長官から手に入れるように、彼女に進言する。
だが、そうこうしているうちに別の文書もまたタイムズ紙に先に
スクープされてしまう事態を招きました。
しかし、ここで政府も逆に新聞社に対し逆襲に出ました。
2回も政府の機密文書をスクープされたことで、政府はタイムズ紙に対し
記事の差し止めを要請したのです。
差し止め命令が下されれば記事にすることは法律違反となり、
ポスト紙もまた掲載できません。
しかし、これを逆にチャンスととらえたポスト紙・ブラッドリー編集主幹は、
文書の入手を部下に命じたのでした。
そして、ニューヨーク・タイムズと時に争いながらも連携しつつ、
「戦争中における政府の機密漏洩」という事態そのものを問題視し、
記事を差し止めようとする政府を相手に回して、裁判を通じて戦う
姿勢を鮮明にしたのです。
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「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」 2017年
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監督:スティーヴン・スピルバーグ
中央)トム・ハンクス その奥隣)メリル・ストリープ
ワシントン・ポスト社主・発行人キャサリン・グラハム役には
あらゆる映画賞の受賞・ノミネートの常連であるメリル・ストリープ/
その回数はもはや「伝説」のレベルに達しているといっても過言では
なさそうです。
ワシントン・ポスト編集主幹のベン・ブラッドリー役を、
これまた名優のトム・ハンクス/
1993年「フィラデルフィア」(監督:ジョナサン・デミ)
1994年「フォレスト・ガンプ/一期一会」(監督:ロバート・ゼメキス)
で、AW主演男優賞を2年連続で獲得しています。
第8代アメリカ合衆国国防長官ロバート・マクナマラを
2000年「13デイズ」(監督:ロジャー・ドナルドソン)で、
アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディに扮した
ブルース・グリーンウッド/
監督は、これまた巨星のスティーヴン・スピルバーグ/
話題作は数々あれど、そうした中でも
1993年「シンドラーのリスト」(主演:リーアム・ニーソン)
1998年「プライベート・ライアン」(主演:ト・ハンクス)の2作では
AW監督賞にも輝いています。
アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。
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