654「オール・ザ・キングスメン」→あくなき権力欲 | 映画横丁758番地

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生きているうちに一度は(何度でも)観ておきたい映画について、変幻自在・巧拙緻雑・玉石混淆で書いています。

2006年にも同名の作品がありますが、こちらはそれより半世紀以上も

前に製作された作品であり、さらに特筆すべきは、その年のアカデミー賞で、

作品賞・主演男優賞・助演女優賞の3部門を獲得したことです。

 

原題は『 All The KIng's Men 』で、直訳すれば「すべて王の臣」ほどの

意味になりますが、野心家の地方政治家が権力欲の虜となり、ついには

自滅していくその様を描いています。

なかなかの硬派の作品と言えますし、昔の作品ですから上映時間が

109分と短いのも好感です。 (ちなみに2006年先品は128分)

 

お話は、田舎の実直で政治家を志望する田舎の下級役人と若い記者の

関わり合いを中心に進んでいきます。

その下級役人は地域に新しく建築された小学校の校舎建設に不正を

見抜くや、それを激しく批難したことで、人々の注目を集め始めます。

そして彼が警告した通りに、避難訓練の最中に欠陥のあった壁が崩落し、

死者を出す大惨事が起きます。

そのために、その危険性を指摘していた彼の人気はますます大きくなって

いき、弁護士になりました。

 

最初に立った州知事選には敗れたものの、ついには念願の知事となり

ます。、

そして数年が過ぎた頃には彼の権力は、絶大なものとなり、今や王のごとく

民衆の上に君臨する存在になっていたのです。

彼自身がかつてはあれほど忌み嫌っていたはずの汚職、ワイロ、恐かつ等に

手を染め、派手な女性スキャンダルも公然と口にされるようになって

いたのです。

 

そして、いつの日かそれは、良識ある人々の批判の的となっていき、

ついには州民から絶大な信頼を寄せられている判事が彼の政敵を

支援する声明まで発表し・・・。

 

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「オール・ザ・キングスメン」 1949年 監督:ロバート・ロッセン  

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左から)ブロデリック・クロフォード/ジョン・アイアランド/

 

出演は、本作でAW主演男優賞を獲得したブロデリック・クロフォード

筆者は未見ですが、

1977年邦画『人間の証明』(監督:佐藤純彌)にも

ニューヨーク市警察分署長役で出演していたようです。

 

若い記者役には、

1960年『スパルタカス』(監督:スタンリー・キューブリック)

で、主人公スパルタカスの奴隷仲間を演じたジョン・アイアンランド

 

そして、注目すべきは本作でAW助演女優賞に輝いた

マーセデス・マッケンブリッジ/です。

1973年『エクソシスト』(監督:ウィリアム・フリードキン)で

悪魔バズスの声を担当した女優であり、その前には映画界の巨人

オーソン・ウェルズからも~もっとも偉大なラジオ女優~と称賛

されたほど独自の個性を放っていたようです。

 

監督は、

1961年『ハスラー』(出演:ポール・ニューマン/パイパー・ローリー/ほか)

ロベール・ロッセン/が担当しました。

 

 

アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。

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