680「ドリーム」→NASAを支えた女性計算士 | 映画横丁758番地

映画横丁758番地

生きているうちに一度は(何度でも)観ておきたい映画について、変幻自在・巧拙緻雑・玉石混淆で書いています。

本作は原題が『Hidden Figures』で、邦題が『ドリーム』と

なっていますが、原作本の邦題としては、

『ドリーム NASAを支えた名もなき計算手たち』

採用されています。

 

日本語オンリー日本人である筆者には、意味合いが分かりやすく、

また、ほのかに「縁の下の力持ち」もどきのニュアンスも

感じられるという点で、原作本の邦題が一番シックリして

いるように感じられます。

 

物語の舞台はちょっと古くて1961年のアメリカ南部。

まだ依然として白人と有色人種の分離政策が行われていた時代で

あり、そんな社会環境があったところへ、ソ連の人工衛星

スプートニク打ち上げ成功のニュースが伝わります。

 

それを受けたアメリカ国内では、ソ連に宇宙競争への意識が

強くなっていくのですが、そうした中でNASA(アメリカ航空宇宙局)

の研究所で、図らずも女性エンジニアと

して、しかも初の黒人として働くことになった計算手がいました。 

 

なにせ、「黒人女性」を受け入れたのが初めてなのですから、

本人自身も。また職場自体も戸惑いを隠せません。

しかし、彼女の能力、奮闘ぶりは次第に認めるられるようになり、

そればかりか、上司は大きな期待を寄せるまでになっていく

のでした。

 

また本作は、米ソ間で勃発した激しい「宇宙開発競争」に

対してアメリカ社会に漂っていた当時の空気にも触れています。

 

***************************************

「ドリーム」 2016年 監督:セオドア・メルフィ  

***************************************

左から)ジャネール・モネイ/

    タラジ・P・ヘンソン/オクタヴィア・スペンサー/

 

出演は、主人公の計算士役に、本作と同様に人種問題に触れた作品、

2019年『ベスト・オブ・エネミーズ ~価値ある戦い~』

    (監督:ロビン・ビセル)

でも主人公を演じたタラジ・P・ヘンソン

 

その同僚役に、

2011年『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』(監督:テイト・テイラー/)

でAW助演女優賞に輝いたオクタヴィア・スペンサー

 

~歌手、作曲家、音楽プロデューサー、女優、モデルである~

Wikipediaにはこのように紹介されているジャネール・モネイ

 

NASAの上司役を、

1990年『ダンス・ウィズ・ウルブス』で監督・製作・主演を務め、

AW監督賞を獲得したケヴィン・コスナー

 

主人公の再婚相手の役を、

2017年『ムーンライト』(監督:バリー・ジェンキンス/)

2019年『グリーンブック』(監督:ピーター・ファレリー/)

隔年で続け様に二度のAW助演男優賞を獲得したマハーシャラ・アリ/

 

この他では、計算部所属スタッフの一人に、

2006年『マリー・アントワネット』(監督:ソフィア・コッポラ/)

では主人公マリーを演じていたキルスティン・ダンスト

 

監督は、

2014年『ヴィンセントが教えてくれたこと』(出演:ビル・マーレー/ほか)

で監督デビューを果たしたしたセオドア・メルフィ/が務めました。

ちなみに

2021年『ムクドリ』(出演:メリッサ・マッカーシー/ほか)

では、AW監督賞にもノミネートの経験を持つ実力派です。

 

 

アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。

お立ち寄り記念に→ にほんブログ村 映画ブログへ ←クリックもよろしく!

              にほんブログ村