うつわ女子に、なれなくて | Timely gocci

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一番使ってるちゃんとした「うつわ」、屋久杉のマグカップ



周りに編集者やライターが多いせいか、うつわ女子な知り合いがとてもたくさんいます。
やれ小石原だやれ波佐見だと、お休みのたびに足しげく通うその姿を、
なんだかまったく共感できない私です。

九州生まれのお父様方には特に顕著な気がしますが、我が父も、うつわ男子。
幼い頃、GWに小石原焼きに連れていかれ、渋滞でまったく動かない車から出て、
脇道の草むらでカマキリの卵を見つけて遊んだりしていました。
上野焼でマイカップ焼いてたし、私も5歳の時に九州民芸村でお皿焼いた記憶があります。

実家に帰るといまだにその数は凄まじく、カップ&ソーサのつがいが食器棚いっぱいにディスプレイ…
(ちなみにこれまで、実家でお茶会が開催されたという話は聞いたことがありません)

そんな父とは正反対に、日常使う食器にこうした高価なものを絶対に使いたがらない我が母。
そりゃそうです。割りでもしたら大変ですからね…

たぶん、ちゃんとした、アノニマスではないうつわを「非日常」として愛でる父と、
アノニマスに安堵感を憶えてご飯を作ってくれていた母のバランスで、この娘アリ、かと。


19で実家を出る時、人生最強に貧乏でした。
そりゃそうだ。浪人上がり、小遣いは携帯代に飛んでいく。
今から学費もかかるし引っ越し代もかかる。
肩身の狭いうえに行きたい大学じゃない。
もう、食器なんてどうでもいいことこの上なし。
だいたい、自炊なんてしねーよ、バカ野郎ってなもんでした。

結果、近所のおばちゃん達からの「餞別」という名のご自宅では決して使わないだけの用済み食器や、
ヤマザキのパン祭りで母がせっせと集めてきた食器だけで、ざざっとファミリー分くらいの食器が揃った我が家。

独り暮らしなのに、なぜに茶碗が3セットもあるんだよ…


そして、そういう食器って、見事に割れないんですよね。

よって、これ以上「食器を増やす」という思考が1ミリも働かないままに、
15年が経ちました。
とはいえ、たまに頂きものでいいうつわが我が家にもやって来ます。
やっぱり、いいものはいいんだなぁとは思うけど、
イッタラにフライビーンズをざら~っと出して、怒られたことのある私です。


当分、うつわ女子にはなれそうにもありません。
(どっちかっていうと、売るほうが向いてそう)