北東アジア経済協力とモンゴルの参加



北東アジア経済協力は、まだまだ充分でないことは皆様も同意されることと思います。この地域の経済協力は将来的には幅広く期待できるとしても、今日
 においては具体的に相互に合意した長期の協力計画があるわけでなく、経済統合もされていません。つまり、将来の協力関係が今日では依然として曇っているの です。中央政府の積極的な活動が大きく不足していることは認めなくてはなりません。それに対して地方からの発信による協力が以前よりも広がっていることは 喜ばしきことです。これにはERINAの果している役割・寄与が大きいということも皆様に賛同していただけると存じます。

それでは、この地域の協力をどのような形で前進させるのがふさわしいでしょうか? 私は二つのことに留意したいと考えます。

  1. 観光ネットワークの構築
  2. アジア輸送回廊問題への意見を統一し実施にうつること。

このため現在緊急に必要とされる自動車道路・鉄道を新設することが望まれます。この枠組では、モンゴルは中国と共同でチョイバルサンとイルーシを結ぶ鉄道を建設する必要があります。

この二点を優先的に開発することの意義は、

  1. これにより地域の人的往来が盛んになり、新しい協力の方向性も次第に醸成される。
  2. 新たな輸送経路を通じて交易が拡大する。特に地域内の鉱物資源の需要と供給を地域内で充たすことを促進する。

モンゴル国政府は、観光分野の開発のために段階的方策を執っています。日本のJICAの支援によって、観光開発マスタープランが作られ段階的に実施 されています。モンゴルへの観光客の8割を北東アジア諸国民が占めています。その意味で、北東アジア地域はモンゴルの観光産業の主たる市場なのです。モン ゴル政府は、大モンゴル国建国800周年の本年、日本人は90日までの短期滞在については査証を免除されることを決定しました。このことは日本の皆様や観 光業界に歓迎されています。