モンゴル経済近況

  • Ch.トゥメンバヤル・ゴビ社副社長によれば、ゴビ社は対中国カシミア原毛輸出の一時停止により価格が低下したカシミア原毛を購入し、良質のカシミア製品を生産するということである。また、同社はカシミア製品を東京、ニューヨーク、パリ等で販売する契約を締結済みである。
  • R. バドマニャムボー・カシミア・ウール管理センター長によれば、2007年現在のモンゴルにおける山羊の頭数は1,800 万頭であり、世界カシミア市場の34%に相当する5,400 トンのカシミアの生産が可能である。しかし、モンゴルでは現在、競争力の弱いカシミア製品しか作れないため、カシミアのほとんどが原毛のまま廉価で中国へ 輸出されている。世界市場で1 キロ90 ドル程度で販売されているカシミア原毛は、モンゴルでは1 キロ4 万トグログ(当館注:約34 ドル)で販売されており、カシミア原毛の国外への流出を抑えるため、カシミアの輸出税を引き上げる必要がある。
  • アジア開発銀行(ADB)が資金供与するプロジェクトにより、2500 人が建築専門学校所属高等専門研修センターで研修に参加する。ADB は、コース修了者の60%の就職先の斡旋も行う。
  •  A.バトスフ中央銀行総裁は記者会見で、モンゴル経済は成長しており、外貨準備高も増加し、貿易収支は黒字であるため物価がこれ以上高騰すること、トグログの貨幣価値が更に下落することはない旨発言した。
  •  N.エンフバヤル大統領が中国の胡錦濤国家主席と会談した。胡主席は、同大統領に対し、
    • (1)3 億ドルの対モンゴル借款案件を支持する、
    • (2)4000 万元の対モンゴル無償資金協力を決定した及び(3)今後もあらゆる分野で積極的に協力していきたいと伝えた。
  •  S.バヤル首相のロシア訪問の結果、
    • (1)ロシアのロッセリホズ銀行からモンゴルの農業開発のため、ゴロムト銀行に2 億ドルのローンを提供する及び
    • (2)モンゴルはロシアから10 万トンの小麦を輸入することが決定された。 
バヤル首相のロシア訪問の際、ミアットモンゴル航空社長はアエロフロート社長とモスクワで会談し、ウランバートル‐モスクワ路線における提携に合意した。
  •  国家大会議で鉱物資源法の改正法案の審議が14 日、開始された。同法案は、作業部会によって作成されたもので、今月9 日に国家大会議に提出された。改正案のポイントは以下のとおり。
    • 鉱床を、①戦略的、②一般的、③広範な使用価値のある鉱床の3つに分類する。
    • 戦略的鉱床の51%を政府、つまり国が所有する。
    • 現行の鉱物資源法では、外国の企業でも鉱床を100%所有することができるようになっている。これを改め、外国の企業は鉱山を100%所有できないようにする。
    • 探査ライセンスについては、9年間の内最初の3 年間は他社への引き渡しを禁止する。
    • 投資回収期間は、15 年間で十分であるとみなし、投資契約期間を30 年間から15 年間に変更した。
    •  国家大会議経済常任委員会は、モンゴルと中国の両政府が2005 年に締結したエグ川水力発電所建設のための3 億米ドルのソフトローンに関する協定を否決した。
  • 4 月11 日、KOICA モンゴル事務所長、食糧・農牧業省事務次官、大蔵省援助調整局局長らが140 万米ドルの案件実施に関する協定に署名した。同案件には、温室建設、機材供与、モンゴル人専門家のトレーニング、韓国人コンサルタントの派遣等が含まれている。
  • ミレニアム挑戦基金モンゴル作業部会は17 日から事業を開始した。なお、同作業部会は12 人のメンバーで構成される。同作業部会は、総額2 億8 千500 万米ドルの4 つの案件を今後5 年間で実施する。
  • 北 米・モンゴルビジネス評議会が、4 月17、18 日にカナダ・カルガリー市にて年次会合を開催し、鉱物資源・石油管理庁長官及び駐カナダ・モンゴル大使らが出席した。現在、20 のカナダ法人がモンゴルに対し総額3 億9 千500 万米ドルの投資を行っており、モンゴルにおける外国投資国としては第2 位である(当館注:第1 位は中国。)。また、同協議会の場で、本年は、モンゴルとカナダの外交関係樹立35 周年の記念すべき年であるとして、カナダがモンゴルに大使館を開設することが発表された。
  • インド政府は、モンゴルに対する食糧援助として米と砂糖をそれぞれ5千トン供与することを決定した。援助物資は5 月にモンゴルに到着する予定である。
  • 過 去2 年間、金を採掘する事業者及び個人からモンゴル銀行に売却された金の量が減少した。これは、金及び銅に対する超過利潤税68%が課税されるためである。 2005 年にモンゴル銀行に売却された金は、史上最高の15.2 トンであったが、2006 年に68%の超過利潤税が導入され、6.9 トンまで減少した。2007 年は10.5 トン、本年4 月現在、0.7 トンの金が売却されている。
  • バヤル首相は、2004~2007 年における平均経済成長率は9.1%であると発表した。速報値では、2007 年の1 人当たりの国内総生産は2003 年比2.5 倍の1,478 米ドルである。