モンゴル経済ハイライト
  • 工業分野はモンゴルの2007 年GDP の33.8%を占め、2000 年比14.8%増加しており、モンゴルの全労働力の12%に相当する12 万3100人を雇用している。鉱物資源関係の一次産品の生産高は13 億120 万ドルで、全輸出の68.9%、全一次産品の70%近くを占めている。鉱業は産業分野全体の24.3%を占めており、昨年比4.9%増加。
  • アスガト銀鉱床をロシアのポリメタル社と共同開発するバヤル首相の考えに対し、民主党は国際入札を主張。現在アスガト銀鉱床の採掘ライセンスはモ・ロ合弁のモンロスツェヴェトメト(Mon Rus Tsvetmet)社が所有している。
  • 元産業・通商大臣Su.バトボルドらの政治家7 人がタワン・トルゴイ鉱床の株を売却。
  • 鉱物資源法改正に関する民主党・人民革命党共同作業部会が1 月21 日に設立されたが、その目的は鉱物資源法改正案を4 月20 日までに国会で可決することである。人民革命党と民主党は民間の費用で探鉱した鉱床は国が最低34% を所有し、国家予算で探鉱した鉱床は国が最低51%を所有すべきとする点で合意。
  • 現 在モンゴルには石油生産を行っている企業は2 つしかないが、毎年10万トンの石油を輸出している。モンゴルは年間60 万トンの石油を使用するが、年間100 万トンの原油を産出すれば自給が可能となる。モンゴルで石油探査を行ったロシアやイギリスの会社によると、モンゴルはその石油資源を全て利用すれば100 年間の国内需要分を自給できる。
  • 現在、ウランバートルの住宅価格は1 平方メートルあたり平均2000 ドルである。モンゴル政府は住宅価格高騰を阻止すべく、4 万世帯住宅計画を実施しているが、本計画で建設される住宅の価格は1 平方メートルあたり350 ドルである。
  • モンゴル政府とKPMG 社が協力してモンゴル航空( MIAT)社の事業評価を行っているが、韓国、日本及びモンゴルの会社がMIAT 社の買収に強い関心を有しているようである。
  • カシミアは1 キロ3 万6000 トグログから3 万8000 トグログで取引されている。カシミアの価格は1989 年以降、上昇し続けている。1989 年には1500 トンのカシミアを生産していたが、2007 年には4400 トンに増加。統計によると、2007 年に畜産家は1400-1600 億トグログの収入を得た。
  • J.バトエルデネ道路・運輸・観光事務次官によれば、MIAT 社はシンガポールのCIT Capital Aviation 社からボーイング B737-800 型の飛行機を1 ヶ月35 万ドルで、100 ヶ月間賃借することになったと発表。4月17日から同機の使用を開始するとした。これでMIAT 社の運輸能力が30%上昇するという。現在、ウランバートルと北京の間のフライトは8 便あるが、4 月1日からは週14便に増加する。
  • O.チョローンバト元中央銀行総裁によれば、モンゴルは消費財の80%-90%を輸入に頼っている。対ドル中国元の価値の上昇により、モンゴルの物価が高騰しており、インフレを輸入している状態である。
  • 住宅価格はここ数年で3 倍近く高騰した。この高騰は交通費、建築資材、燃料等の価格上昇によるものだと建設会社は説明しているが、政府は何らかの対策を講じる必要がある。 
  • 国際通貨基金(IMF) によれば、ここ数年の公務員給料の引き上げと、社会福祉サービスへの予算拡大がインフレを煽っている( 2008 年1 月現在インフレ率は17.5%)ため、これ以上公務員の給料を上げるべきではないということである。
  • TS.エルベグドルジ民主党党首は記者会見で、外国投資家は戦略的鉱床の49%以上を所有すべきでないとする点で人民革命党と民主党が合意したと発表した。
  • 鉱 物資源法改正作業部会の座長を務めるKh.ナランフー産業・通商大臣によれば、作業部会は戦略的鉱床の国の所有率は最低51%とする点及び投資契約は最長 15 年とする点で合意した。政府はアイヴァンホーマインズ社に対し、国がオヨー・トルゴイ鉱床の51%を所有するとの投資契約での合意を求めているが、まだ回 答はない。タワン・トルゴイ鉱床については、エナジー・リソース社と政府はそれぞれの立場を譲らないため、交渉が長引くと予想される。エナジー・リソース 社はタワン・トルゴイ鉱床に80 億トグログを費やしたと言うが、それを裏付ける証拠はない。エナジー・リソース社は80 億トグログの賠償の代わりにタワン・トルゴイ鉱床周辺の3 つの小鉱床を要求しているが、政府はその内の1 つしか認めない立場である。
  • アイヴァンホー・マインズ社は、2007 年に、オヨー・トルゴイ鉱床の埋蔵量を金987トン、銅3000 万トンと確定した。
  • 2008 年に民営化予定の企業のリストが国家大会議で確定され、モンゴル郵便も同リストに含まれた。 
  • タワン・トルゴイ鉱床に関する政府の作業部会とエナジー・リソース社との間の9 回に及ぶ交渉の結果、コークス炭埋蔵地域の93.6%に相当する6 万8532 ヘクタールを国が所有し、オハー・ホダグの2959 ヘクタールがエナジー・リソース社に残ることになった。 
  • 鉱 物資源法改正案について、戦略的鉱床は国が最低51%を所有すべきとする点で人民革命党と民主党が合意したものの、改正案自体に再考が必要な点がいくつか ある。ガンスフ議員(民主党) によれば、国が51%を所有するという点につき、国が政府を指しているのか、国民を指しているのか明確にするべきだという。エンフサイハン副首相によれ ば、鉱業に携わる国内外の企業は鉱床の最大49%を共有できるとの条項も曖昧であるとしている。
  • 民主党は鉱物資源法改正案に関して、人民革命党と合意できないところがいくつかあるとの理由で臨時国家大会議をボイコット。
  • 政府の報告によれば、モンゴルの外貨準備高は9720 万ドルに達した。統計では、失業率はここ4 年間3.6%を上回らず、2000-2003 年比0.8%低下した。公務員の平均月給は、現在30 万トグログであり、2003 年比4.2 倍である。最低賃金は2003 年比3.6 倍増加。年金は2003 年比2.8倍増加。