静岡県富士市の川村病院に緩和ケア病棟|いまここ|が誕生し3か月が過ぎました。
多くの方々の想いの共鳴と尽力に感謝しています。
ありがとうございます。
主治医として、沢山の患者さんから頂いた気づきをシェアしていきたいと思いブログを立ち上げました。
緩和ケア病棟やホスピスという言葉を聞くと、もう治らない病気を抱えている方が、死を待つ場所と思っている方も少なくないかも知れません。
実際、癌の終末期の方をお看取りすることは、この場で日々行われています。
死がすぐ近くにあるのです。
その風景は皆さんの眼にどの様なものに映るでしょうか。
辛く、悲しい、忌み嫌うものでしょうか。
視点を変えると、死が身近にある故に、いまこの一瞬に生きることの素晴らしさを強烈に感じさせてもらえる、気づきに満ちた場ともいえます。いまここを生きることの幸せに触れることができる場となりえるのです。
いのちに目覚めていく場、それが緩和ケア病棟|いまここ|。
いのちに気づくこと、それは深い癒しをもたらします。
患者さんの癒しを祈ることを通じて、私たち医療者も深く癒される場、それが|いまここ|。
そこには、患者さん、ご家族、医療者の区別はなく、共に癒されるいのちがあります。
肉体の死は決して終わりでなく、大いなる旅の通過点、次のステージへの旅立ちの出発点。死を通じて、大きないのちに気づき、紡いでいく、それが|いまここ|に託された使命と感じています。
緩和ケア科 大木 学