こちらの記事の続きです。

マインドフルネスでも肝になる『怒り』

松村憲:後、怒りはマインドフルネスでもポイントになっていると思っていて、瞑想をしていてもそれが出てきた時に抑圧するかしないかはすごく大事です。

怒りが自分の中にこんなにあったのか、と最初に認められるかがすごく大事
鬼滅の刃でも、何かに目覚めるための怒り、自分に目覚める物語が描かれています。

そこできちんと怒れないと、抑圧した怒りの影響で自分や他の人が鬼の犠牲になってしまいます。

主人公もその怒りをどうするんだ?って問われていますよね。

『鬼』という分かりやすい存在を前にして、登場人物たちがこれだけシンプルに『怒り』をパーンて出し切ってくれるのを見ると、エンターテイメントとして鑑賞しながら、大人たちの中の無意識の怒りが昇華されていたりすると思います。

理不尽なものに対して正当な理由で怒るとか、怒りも正当であるし、怒りの背後にあるパワーをちゃんと使う、鬼と戦うために使う、とかそういう所があるか無いかは大事なところですね。

 


小島美佳:なるほど。
やや解釈めいた話になってしまうかもしれないですけど、怒りが出てきたときに、
・その怒りを避ける方法、
・怒りそのものに入っていく、
・怒りを観察し理解していく、

みたいな、マインドフルネス的な視点で考えると大きく分けてその3つのパターンがあるじゃないですか。

 

松村憲:はい。面白いですね。

小島美佳:そこで、怒りを避け、怒りを感じないために何か別のものになっていくみたいなこともあると思うんだけれども、『怒りそのものにしっかり入る』みたいなことを瞑想の中でやり切った時、私たちの中に生まれる感覚にはものすごいパワーがあると感じます

やり切った時はすさまじいパワーが自分の中にあるということに気づくと思うんですよね、瞑想の中で。

この底知れぬパワーをちゃんと制御できるようになっていくみたいなのが、鬼殺隊に求められていることなのかなぁみたいな感じがしました。

松村憲:そう思いますね。

最初の入り口は『怒りに目覚める』とか『怒りを認める』とかなので、その怒りがその後どう現れるかっていうのはやっぱり修行によるものでしょうか。

怒りの無敵な感覚って中毒になりやすいので、無自覚に囚われた形になるとこの世的にはハラスメントなどの行動になってしまいますね。
鬼殺隊の修行って、超瞑想修行みたいなハードボイルドに描かれてて、そこまで集中度が高まった時には、怒りもいわゆる一般的な怒りでは全然なくなる。

そういうレベルだと『静かな怒り』とかありうると思うし、炎の調節の仕方が全然違ってくる感じですよね。

もはや自分の膨大な怒りや力にも怯えないというか。

小島美佳:そうですねー、そう思います。

 

自分の様々な感情に気づき、許容するきっかけをもらっている

小島美佳:あと、怒りに関連して感情の扱われ方という視点で観てると、映画で登場人物たちが思いっきり泣くシーンがたくさんあるのが印象的です。

涙がボロボロこぼれていて、主人公も周りのみんなも一緒に泣くシーンがあって、あれはすごいいいなーって思いました。
大人たちはあれを一緒に見て、泣いたりしてるのかなあと思ったり、涙や感情を出して行っていいんだよ、みたいな許可も貰っているような感じがしました。

 

 

s子:日本では小さな頃から「男の子は泣くな」とか言われますからね、、、

 

小島美佳:それは、すごい象徴的ですよね。

 

松村憲:僕も自分が書いた本で、感情のプロセスを扱う方法について書いたりもしましたが、ある種のトラウマの解消だと思うんです。
強い怒りも感情で圧倒されるからブロックされるわけで、哀しみも同様にその感情の強さに圧倒されるからブロックしちゃうわけです。

喜びもそうですけど、大きな喜びとかも出すとどうにかなっちゃうという恐れが自分をブロックしているので、それをほんとに許可できてる、怒りも許可できてる、悲しみも許容できてる、みたいなのって、すごくいいですよね。
自分らしさ、生命力、感情表現に繋がり直せるのだと思います。

まさに瞑想プロセスそのものって感じがしますよね。

小島美佳:ほんとにそう思います。

松村憲:瞑想で集中が進んでいって、ありのままを許容していくと、どんどんどんどん感情が解放されていくものですから。
そういったものを、読んだり観たりすることで一緒に体験できるっていうのはすごくいいですよね。

 

※こちらの記事は「Mindfulness」に掲載している内容です。

 

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ヨガする心理学者 松村憲

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