小学生の頃、紙がもったいないからと落書きは裏紙にしていたけれど、ときどき自由帳の真っ白な紙に描くのは楽しかった。

 どちらかといえば履歴書負けするくらいだったのに、基本の健康状態を良好と書けなくなってしまったんじゃないかとあがいていた。
 そしてこの間、私のこの一見ばらばらな行き方をつなげているものを言葉にするヒントをくれるんじゃないかという場所をみつけてしまい、私の中で履歴書問題はより切実になったので、注射のときに聞いてみた。

 「私みたいな人が履歴書に健康状態良好って書いたらうそですか。」

 「そんなことないんじゃない?」

 あまりにもすんなりと本気っぽく先生が言ってくれたので、気が抜けてしまった。

 これが釣書だったり健康診断書だったりしたらそういうわけにもいかないのはわかってはいるけれど、それでも心が舞い上がってしまった。