私っておせっかいかな、と『ひとがた流し』を見たshちゃんが言うので、読んでみた。

ひとがた流し/北村 薫

¥1,680
Amazon.co.jp

 
 「いい、あなた、倒れてる人の財布を抜こうとしてるんじゃないのよ。人にはね、付け込んで欲しい時だってあるのよ」


 私のことをよく知ってる人がつけこんでくれるとしたら、それはすごくしみじみうれしいことではないかと思う。


 「...もし、お前の側に、そういう人がいるんなら、気楽に慰めたりしちゃいけない。そういうことは、本当に心の通じ合った人間にしかできない。言葉がどうこうじゃないよ。気持ちが重なっていたら、そこにいるだけで力になれるもんだよ」


 慰めることと力になることはけっこう正反対な気がする。
 このことで私には、力になってくれる人がすごくたくさんいたけれど、慰められたことはない、と思う。

 やっぱりどう考えてもshちゃんはおせっかいなんかじゃない。