イペゲネイアの物語は、ヨーロッパでは、よく語られているとのこと。
なんとなく知っておいて損はないものと思います。
以下の戯曲が有名だとか。
▮希アイスキュロス(BC525-456)<アガメムノン>
▮希エウリピデス(BC485-406)<アウリスのイピゲネイヤ><タリウスのイピゲネイヤ>
▮仏ラシーヌ(1639-1699)<イフィジェニー>
▮独ゲーテ(1749-1832)<タウリス島のイフィゲーニェ>
▮仏ジロドゥ(1882-1944)<エレクトル>
▮仏サルトル(1905-1980)<蠅>
世界史や文学に疎いもので、読んだことはありません(^o^;)。
登場する人々のつながりは以下の図の通り。
イペゲネイアの話はネットでたくさん載っていますが、
ざっくり、いきますと・・・
弟メネラオスの妻ヘレネを奪い取られたことを知った
ミケーネ王のアガメムノンは、「テュンダレオスの掟」も
あることから、全ギリシャを率いて、トロイア攻めを敢行。
レダと娘ヘレネ、「テュンダレオスの掟」のお話は、以下参照。
❦TROY:白鳥(ゼウス)に恋するレダ
エーゲ海は穏やかだったのでしょう。ナギの状況だったことからか、
途中、エボイア島の入江の奥のアリウスに停泊。
風が吹かないのは、昔、アルテミスの大事な鹿を
アガメムノンが、殺したことに起因したようです。
アルテミスをなだめるためには、生贄をささげよ、
というお告げがあったとか。そこで指名されたのが、
アガメムノンの次女のイペゲネイア。
イペゲネイア(アガメムノン/クリュタイムネストラ娘)
アンゼルム・フォイエルバッハ作-1871-(http://free-artworks.gatag.net/より)
あー、可哀想。後ろから抱きしめてあげたい(ノ_-。)。
怒りと悲しみが収まらないのは、母クリュタイムネストラ。
トロイア戦争を勝利したアガメムノンが凱旋すると、
生贄となったイピゲネイアの復讐とばかりに、
情夫アイギストスと共に、アガメムノンを殺害します。
この物語では、「アウリスのイペゲネイア」と、
「タウリスのイペゲネイア」があるんですね。
アウリスは、エボイア島の港。タウリスは黒海のクリミア半島にある。
(1)アウリスの・・・:イペゲネイアが生贄として死んでしまう物語
(2)タウリスの・・・:憐れに思ったアルテミスが助け、タウリスで
女神官として生き延びる物語
(2)の物語:父アガメムノンは母クリュタイムネストラに殺されました。
イペゲネイアがタウリスにて助けた、弟オレステスといとこのピュラテスに、
アガメムノンに恨みを抱いていた、姉エレクトラが加勢し、
父の仇のクリュタイムネストラとアイギトスを殺害した、という物語。
クリュタイムネストラについては、評価が割れるよう。
以下の写真は、アガメムノンを殺害した後の姿とのことで、
悪女風にみえてしまいます。
ジョン・コリア作(Wikipediaより)
しかし、可愛い娘を生贄としてささげなければならない、
というのは、もちろんイペゲネイアも可哀想ですが、
母クリュタイムネストラもいたたまれなかったでしょう。
ただ、アイギトスが情夫として存在していたのが気になります。
異父姉妹ヘレネへの仕打ちに対する復讐もあったのかもしれないし、
アガメムノンが、戦場に行ってしまって寂しかったのか。。。
もっとも、クリュタイムネストラは、昔、アガメムノンが
タンタロスから奪い取った女性であり、その時、既にイピゲネイアを
宿していたようで、イピゲネイア含め、愛情はなかったのかもしれません。
∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
一方、母クリュタイムネストラとその情夫を殺したエレクトラ。
フレデリック・レイトン作-1869年頃画-(Wikipediaより)
「エレクトラ」は、ギリシャ神話三大悲劇詩人の一人である
ソポクレスの書いた悲劇としても有名。
怨念に燃え、虐げられつつ生き抜く芯の強い女性エレクトラ。
それもまた魅力的だぁ(^_^;)。
以下の映画は、イペゲネイアの母クリュタイムネストラ役
を演じる、ギリシャの女優:イレーネパパス主演の映画。
「イピゲネイア」(英語字幕) 2:08:16
0:31:40-0:33:54 「母クリュタイムネストラが娘イピゲネイアに子守唄を歌う場面」
で、その切なさがうかがえます。
この映画の物語の前段のあらすじについては、以下のサイトがわかりやすいですね。
http://movie.walkerplus.com/mv11416/
さすが、映画の大御所:キネマ旬報社。
今回は、とても時間がかかりましたが、
ネットで調べるといろいろな発見がありました。
以下は、グルック作曲:歌劇「アウリスのイピゲネイア」序曲ですが、
Youtubeの中でも、この映像でのバイオリンの音が心に響きました。
イペゲネイアの悲しさ、寂しさ、悔しさがこみあげてくるような、奥深い演奏です。
ギリシャ神話には本筋があるものの、
「もし・・・だったら」の話が創作されているようです。
仮説をたてることで、物語として面白さを増すと同時に、
世の中をいろいろな側面から眺めることができます(´∀`)。
このトロイア戦争に悠久の歴史を感じつつ、
物語をとりまく人物像を捕えることで、
映画や戯曲や音楽を観たり聴いたりした際の
感動を味わうことができるんですね。(*^ー^)ノ
今回の記事は、「あーそうなんだ」の連続で、
いい勉強になりました。疲れたぁ~(@ ̄Д ̄@;)
なんとなく知っておいて損はないものと思います。
以下の戯曲が有名だとか。
▮希アイスキュロス(BC525-456)<アガメムノン>
▮希エウリピデス(BC485-406)<アウリスのイピゲネイヤ><タリウスのイピゲネイヤ>
▮仏ラシーヌ(1639-1699)<イフィジェニー>
▮独ゲーテ(1749-1832)<タウリス島のイフィゲーニェ>
▮仏ジロドゥ(1882-1944)<エレクトル>
▮仏サルトル(1905-1980)<蠅>
世界史や文学に疎いもので、読んだことはありません(^o^;)。
登場する人々のつながりは以下の図の通り。
イペゲネイアの話はネットでたくさん載っていますが、
ざっくり、いきますと・・・
弟メネラオスの妻ヘレネを奪い取られたことを知った
ミケーネ王のアガメムノンは、「テュンダレオスの掟」も
あることから、全ギリシャを率いて、トロイア攻めを敢行。
レダと娘ヘレネ、「テュンダレオスの掟」のお話は、以下参照。
❦TROY:白鳥(ゼウス)に恋するレダ
エーゲ海は穏やかだったのでしょう。ナギの状況だったことからか、
途中、エボイア島の入江の奥のアリウスに停泊。
風が吹かないのは、昔、アルテミスの大事な鹿を
アガメムノンが、殺したことに起因したようです。
アルテミスをなだめるためには、生贄をささげよ、
というお告げがあったとか。そこで指名されたのが、
アガメムノンの次女のイペゲネイア。
イペゲネイア(アガメムノン/クリュタイムネストラ娘)
アンゼルム・フォイエルバッハ作-1871-(http://free-artworks.gatag.net/より)
あー、可哀想。後ろから抱きしめてあげたい(ノ_-。)。
怒りと悲しみが収まらないのは、母クリュタイムネストラ。
トロイア戦争を勝利したアガメムノンが凱旋すると、
生贄となったイピゲネイアの復讐とばかりに、
情夫アイギストスと共に、アガメムノンを殺害します。
この物語では、「アウリスのイペゲネイア」と、
「タウリスのイペゲネイア」があるんですね。
アウリスは、エボイア島の港。タウリスは黒海のクリミア半島にある。
(1)アウリスの・・・:イペゲネイアが生贄として死んでしまう物語
(2)タウリスの・・・:憐れに思ったアルテミスが助け、タウリスで
女神官として生き延びる物語
(2)の物語:父アガメムノンは母クリュタイムネストラに殺されました。
イペゲネイアがタウリスにて助けた、弟オレステスといとこのピュラテスに、
アガメムノンに恨みを抱いていた、姉エレクトラが加勢し、
父の仇のクリュタイムネストラとアイギトスを殺害した、という物語。
クリュタイムネストラについては、評価が割れるよう。
以下の写真は、アガメムノンを殺害した後の姿とのことで、
悪女風にみえてしまいます。
ジョン・コリア作(Wikipediaより)
しかし、可愛い娘を生贄としてささげなければならない、
というのは、もちろんイペゲネイアも可哀想ですが、
母クリュタイムネストラもいたたまれなかったでしょう。
ただ、アイギトスが情夫として存在していたのが気になります。
異父姉妹ヘレネへの仕打ちに対する復讐もあったのかもしれないし、
アガメムノンが、戦場に行ってしまって寂しかったのか。。。
もっとも、クリュタイムネストラは、昔、アガメムノンが
タンタロスから奪い取った女性であり、その時、既にイピゲネイアを
宿していたようで、イピゲネイア含め、愛情はなかったのかもしれません。
∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
一方、母クリュタイムネストラとその情夫を殺したエレクトラ。
フレデリック・レイトン作-1869年頃画-(Wikipediaより)
「エレクトラ」は、ギリシャ神話三大悲劇詩人の一人である
ソポクレスの書いた悲劇としても有名。
怨念に燃え、虐げられつつ生き抜く芯の強い女性エレクトラ。
それもまた魅力的だぁ(^_^;)。
以下の映画は、イペゲネイアの母クリュタイムネストラ役
を演じる、ギリシャの女優:イレーネパパス主演の映画。
「イピゲネイア」(英語字幕) 2:08:16
0:31:40-0:33:54 「母クリュタイムネストラが娘イピゲネイアに子守唄を歌う場面」
で、その切なさがうかがえます。
この映画の物語の前段のあらすじについては、以下のサイトがわかりやすいですね。
http://movie.walkerplus.com/mv11416/
さすが、映画の大御所:キネマ旬報社。
今回は、とても時間がかかりましたが、
ネットで調べるといろいろな発見がありました。
以下は、グルック作曲:歌劇「アウリスのイピゲネイア」序曲ですが、
Youtubeの中でも、この映像でのバイオリンの音が心に響きました。
イペゲネイアの悲しさ、寂しさ、悔しさがこみあげてくるような、奥深い演奏です。
ギリシャ神話には本筋があるものの、
「もし・・・だったら」の話が創作されているようです。
仮説をたてることで、物語として面白さを増すと同時に、
世の中をいろいろな側面から眺めることができます(´∀`)。
このトロイア戦争に悠久の歴史を感じつつ、
物語をとりまく人物像を捕えることで、
映画や戯曲や音楽を観たり聴いたりした際の
感動を味わうことができるんですね。(*^ー^)ノ
今回の記事は、「あーそうなんだ」の連続で、
いい勉強になりました。疲れたぁ~(@ ̄Д ̄@;)