もう、書くつもりはなかったのだが、
あまりの、恐ろしいほどの感動を密かに伝えたいと思った。

浅田真央サンクスツアーは、
想像を越えていた。

浅田真央はどこまでいくのだろう?
演出家として、振り付け師として、表現者として、
どれ程の才能を持っているのだろう?

もちろん、彼女のスケーターとしての経験と技術が礎となっており、
彼女でなくては演じられないショーであり、
彼女自身のスケートの振り返りでありながらも
全く新しいスタイルのショーであった。


演出も行き届いていた。
ライトと映像をうまく使った場面転換。
プログラムの順番もよく考えられている。
全部を1人で滑ることはできないので、
と言っても半分以上は滑っていたが、
浅田真央のプログラムであるということを活かしながら、
浅田真央のプログラムであることを知らない人でもひきこむことが出来るだろう。

特に驚いたのは、フォーメーション。
なぜ、ここまで出来る?
衣装も照明も、必要最低限でありながら、ショーの素晴らしさの一因であった。

ショーの序盤は、愛らしさに圧倒され、
中盤ではマダムバタフライの狂気と悲しみに圧倒された。

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番を男性スケーターが紡いでいき、最後のステップで、登場。
会場は一つになり、誰もがソチ五輪を思いだし、
感動と悲しみを思い出した。
そのあと、薄いピンクの衣装に身を包み、
これからの彼女の明るい未来を予感させるようなフィナーレだった。



舞さんにも圧倒された。
引退して、何年も経つのに、このクオリティは何?
出ずっ張りの真央さんを助けるために、真央さんの次に多く滑っていた。
あぁ、この姉妹はなんと美しいことだろう!

無良さんの鐘も素晴らしかった。
最初のトリプルアクセルを跳ぶ構えに入るとき、
会場は息を飲んだ。
あのバンクーバーと時が重なる不思議な瞬間だった。


ショーが終わったあとの、リンクが異様だった。
ありとあらゆるところが削られていた。
どれだけの運動量!
あの少ない人数で圧巻のショーを演じた軌跡がそこにあった。






駅からバスで会場に向かったのだか、
バスの運転者さんが
「通路でトリプルアクセルやスピンやコンビネーションジャンプなどの危険行為はしないでください」
滑ってたけど、わたしにはウケました。


浅田真央サンクスツアーはロングランになる予感。
彼女達の体力と気力がもてば、の話だが。