こないだ、処置の用具をかりるために、耳鼻科に(こっそり)行ったときのことです。
ちょうど先生は外来診察中で、白髪のおじいさんを診ていました。
先生
「で、めまいもするんですね?」(´¬`)
おじいさん
「ええ、吐き気がします!」(゚Д゚)
先生
「吐き気はわかりました、めまいは?」(´¬`)
おじいさん
「目は痛くないねえ」
おじいさん、少々耳が遠いようでした。
先生
「め・ま・い!! どうですかーーーー」
おじいさん
「め・・まい? ・・ああ、めまい・・・はい、めまいします」(゚Д゚)
先生
「みみがー、とおいのはー、以前からですか~~~~!」
おじいさん
「黄身は、食わんけどねえー」
先生
「黄身じゃないっ。み・み!! 難聴!」
おじいさん
「なっとう?」
うほほ~~い!
先生は困ったカオでため息をつきました。
おじいさんもすまなさそうに先生を見たあと、
小さくつぶやきました。
おじいさん
「耳鳴りが・・・・するから、オトがはっきり聞こえなくてねえ、
周りの人にいっつも迷惑を・・・」
先生
「え? なんて?」
見ると、先生は、おじいさんの目前5センチくらいにカオをぐぅっと近づけていました。
一瞬、キスでもしてんじゃないかと思った!
おじいさん
「耳も最近・・・きこえにくくなって・・・」
おじいさんは、うつむいたまま、再びそう言いました。
先生
「え?! 何?
うつむいてしゃべってないで、ぼくの顔見て話をしてください!」
するとおじいさんは、やおら顔を上げ、きょとんとした表情で、先生をまじまじと見つめました。
先生
「ぼくも耳が遠いから!
おっきな声で、はっきりと発音して、話してください!」
その場に居た私は、滑ってコケそうになりました。
おじいさん
「せ・・・先生も耳とおいの?!!」
先生
「そう!! 老人性難聴!」
・・・それから、ふたりの、怒鳴りあうような会話がはじまりましたが、
なんとなくふたりとも、うれしそうでした(笑)