思わぬところで、先輩の消息を知れたことは、とても嬉しい気持ちがしました。





卒業したあとは、とくに交流もなく、どこでどうしているのかは全く知らなかったのですが、
こういう、ふとしたきっかけで、
元気で頑張ってらっしゃるんだなぁということがわかって良かったです。









・・・うん。


医者という仕事の、良さのひとつだと思います。









それはそうと、この紹介状そのたもろもろの、書類の山。


一つ一つの文章は短いんだけど、とにかく総文章量が多い。


鬱蒼と茂る森の中の、小さな幼木を探すような気持ちで、
だからつまるところこの人は今どういう病状にあるんだ、という結論を、追っていきました。








オペ中に呼吸器の設定がどうなってたとか、もういいから。


患者さんの旦那さんが最近退職したから頻繁にお見舞いに来れる、とかも、書かなくてもだいじょうぶです。


レントゲンを撮るさいに転倒しそうになったとかも、とくに書いていただかなくていいと思います。









そんなこんなで、文章の山、かくも厳しからんや、という心境でまあ、読みましたよもう。そのあたりは根性一本です。









つーか、・・・・先輩、

こんな緻密なキャラだっけ。・・・







もともと、適当大雑把を絵に描いたような人じゃなかったっけ。




私の記憶の中では、ヒステリックブルーみたいに髪を青く染めた先輩が、
追試を落第しかけて顔面まで青くなってたことくらいしか、
残ってないんですけど。





こんな、せせこましく文章並べ立てるキャラだっけ。




どっちかっつーとほら、そこはそれ、もう、

靴下は穴があいてても足首さえあれば穿いてるように見えるから問題ないじゃん、みたいな、



セーターが前後逆でもべつに寒くないし問題ないじゃん、みたいな、



多少の・・えーと30分くらいの遅刻だったら誤差範囲だし全然オッケーなんじゃね? みたいな、






そういう、どっちかっちゅうと、


おおらか、・・・・・な、
人だったように記憶してます。





パチンコ、朝から並ぶのは平気だけど、
朝から試験があると、起きられないから遅刻してたという、先輩。





パチンコの負けが立て込んで、借金30万くらいになっても、
まだ友達に金を借りまくって、
(それも同じ友達に)
貸すほうも人が良すぎっちゃ良すぎだけど、
借りるほうもアンタそれもういい加減にしなさいよって、
関係ない私でも止めたくなるくらい、
ギャンブルにバンバン、金つぎこんでた先輩。






その人が、こんな細かく文章書くか?

















・・・・・って、考えてるうちに、
思い出しました。









先輩の、試験の乗り切り方。




まず、どんな問題が出題されようと、
それはとにかく関係なし。
問題文すら読む必要なし。






人から借りた、授業ノートのコピーを、
小さく縮小したカンニングペーパーを、
まず仕込んでおく。



試験が始まれば、そのノートをとにかく、
解答用紙に書き写す。







問題とか、ちーとも踏まえてない。
なんの答えにもなっとらん。






そんなのどうでもいいから、とにかくノートをひたすら写していくのです。
用紙いっぱいに、小さな字で書き込む。




おれが勉強したのはこういうことなんだよ、と。
おれは授業きいてたし、ノートもちゃんととってた、
その学んだことを、こんなぎっしりと、表現しているんだ!







・・・そんなのありかよ。




って思うけど、
いつしか、先輩はぶじ、卒業していった。











そう思うと、この紹介状も、うなずける気がしました。



救急部なのに、よくこんだけの分量の紹介状、
書けるのは、さすがです。





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今日も、最後まで読んでくださって、ありがとう。
読んでくださってるみなさまに、感謝です!!


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