「恋がはじまるときってのはねえ、なんでもこうも、
可笑しいんだろうねえ」






・・・と、みかこ先生が、唐突に私に言いました。







読んでいた、薬疹情報の分厚い本にねむけがさしてきていたときに、そんなおもしろそうな話をふられたら、もう、聞かないわけには行きません。







うさこ
「なんですか! また、新しい恋を始めたんですか?」


みかこ先生
「なによその言い方。ラーメン屋が冷やし中華はじめたみたいな言い方しないでよ」


うさこ
「いえいえそんなことは思ってませんよ」


みかこ先生
「冷やし中華といえば、
メニューに出し始めるときはきっちり、


”冷やし中華始めました”


って紙に書いて張り出すくせに、
メニューから消えるときはいつだって唐突なのはなんで?


なくなるときも、”冷やし中華終わりました”って書けっちゅうねん」





うさこ
「うーむ、言われてみるとたしかに・・・。
いちいち、終わりましたって言われないままに、いつのまにかなくなってますねえ」


みかこ先生
「そうゆうのってズルイわよ。もっと正々堂々と書けよ。


冷やし中華辞めました、とかさ!」





うさこ
「寒くなると、誰も頼まなくなるから、べつにいいんじゃないですか」


みかこ先生
「良かないわよ! 頼まないからいいとかいう問題じゃないのよ。だったら、バレなかったら万引きしていいっていう理屈だってまかりとおるわよ」








・・・(゜∀゜;)



いやー。
さすがに、論理が飛躍しすぎてる気がしませんか。






みかこ先生
「バレなかったら脱獄していいのか!?
バレなかったら患者に出す水薬にツバ入れていいのか?!
いつのまにか辞めてるってのは卑怯者のすることに決まってる!
そんなんでいいんだったら、私も明日から病院辞める」












(゜∀゜;)



・・・バレますから。





確実に、バレますから。






つーか、それ以前の問題だし。










そのあと、みかこ先生は、カップヌードルをズビズバすすりました。



みかこ先生
「あっ」


うさこ
「えっ?」


みかこ先生
「アンタのせいですっかり伸びちゃったじゃない」





(゜∀゜;)
私のせいか?!





「・・・これだからもう、イヤになるわねぇ」と、みかこ先生はつぶやき、



そして、もうだいぶ聞き飽きてきた、この台詞を言いました。





みかこ先生
「今年の目標は、寿退社。
今年こそ、結婚するの!」



・・・がんばってくだせぇ。


みかこ先生
「今ねー、結婚相手の候補が二人いるの。
そのうちの一人と、こないだ飲んでたんだけど」




(次回につづく。)