✦ MEI ✦ | 人情の島より、こんにちは!~医療職の皆さん、隠岐で働きませんか~

人情の島より、こんにちは!~医療職の皆さん、隠岐で働きませんか~

民謡(しげさ節)で「人情の島」とも謡われる「隠岐の島」。 このブログは、離島・へき地という条件ではありますが、毎日、明るく楽しくをモットーに日々勤務している私たちの日常をお届けいたします。

MEIトライアルコース
〔Management Emergency of Internal medicine〕
先日、隠岐消防で内科救急の勉強会が開催されました。
加藤先生が発案されたオリジナルコースです。
内因性ロード&ゴー →目に見えない分かりにくい緊急を要する内科的疾患を見逃すな!
をテーマに^ ^
意識障害・胸痛・呼吸困難・腹痛 の救急要請119☎︎が入ってから現場到着、搬送、病院到着、病院での初期診療までをロールプレイ式で実技するコース。

加藤先生が帰島されるわずかな時間にコースの打ち合わせを行いギリギリまでハラハラしながらなんとか当日を迎えることができました☀︎
ひと足先に会場準備

カップケーキはパワフル助産師 真紀子さんが焼いてくださいました♪
当日も昼食をとりながら主催スタッフは最終打ち合わせを行い本番に。
はじめにコース概要説明とプレテスト



意識障害・胸痛・呼吸困難・腹痛それぞれのシナリオ実技の前にポイントをおさえる講義を行ってから実践
ポイントが記憶に新しいうちに実技にあたるのはとても効率がよく、イメージもし易いなと思いました。


意識障害患者の救急要請からスタート
70歳女性、30分前から急に左半身麻痺と意識障害出現し救急車要請☎︎
患者〕「あ~、う~」と構音障害あり
家族〕高血圧・糖尿病で通院中
食事中に急に症状出現した

病院前ポイント
脳卒中を疑い、速やかに意識・麻痺・瞳孔の観察
病歴聴取、バイタル、症状悪化に注意しながら搬送

BP160/95 HR75 SpO2 92%
病院内ポイント
神経学的異常所見を取り、採血・ルート確保後、頭部CT
頭部CTにて脳出血否定→MRIにて脳梗塞と診断しtPA開始。

受講生とインストで反省点を振り返る

この症例は救急隊、病院スタッフも普段通りの流れでとてもスムーズでした。

✲低血糖患者の救急搬送
医師役を救急隊員
看護師役を救命士
救急隊長役を看護師
救急隊員役を救命士に役割をシャッフルさせてロールプレイ

隊長役の看護師上杉さん、現場到着し隊員に指示を出しながら素早く状態観察
隊長の指示に従う隊員役の救命士伊藤くん。
四肢脱力あり。身体を揺さぶり開眼あるも発語なし
家族から情報収集
糖尿病で内服加療中
調子悪かったので昼食とらなかったが薬は内服したと。
意識障害あるためブドウ糖はとらせず搬送
BP150/90 HR70 SpO2 96%
病院へ状態・情報報告

病院到着

医師役の救急隊安部くんの指示に従い
看護師役の救命士八原くん、素早く血糖値測定しルート確保
血糖値34 ブドウ糖投与し血糖値120へ
→意識状態改善
反省点〕予想どおり低血糖で対応も早やかった。
現場で可能なら家族に血糖値を測定してもらうなどできたのでは…
早く隠岐の島でも救命士による血糖値測定ができれば良いのに…
また、インストより→今回のような低血糖症例は多くブドウ糖投与で改善するケースがほとんど。
ただ、最近実際にあった症例で同じように搬送されてきて血糖値18 、ブドウ糖投与後も意識状態改善せず検査の結果 脳疾患を併発していたケースもあり、視野を広く持つようにコメント。
もう1グループも一つシナリオが終わるたびに真剣に反省点や疑問点を振り返っていました


皆さん熱くなってきたところで少し休憩~♪


ベテラン看護師さんにも患者や家族役で参加していただき
和気あいあい和やかな雰囲気です^ ^

続いてのシナリオは胸痛
50歳男性 30分前から急に左胸痛出現し救急車要請☎︎


とにかく左胸が痛く受け答えもままならない


家族は急な胸痛でパニック
高血圧・糖尿病で内服加療中
心筋梗塞を疑い、モニター、酸素、バイタルに注意しながら搬送
BP160/100 HR95 SpO295%
モニター上 心室性期外収縮あり
病院到着


採血、心電図、心臓超音波で心筋梗塞と診断し本土の病院へ搬送
実際に心筋梗塞の症例は多く、流れもスムーズでした。
救命士の実習で観察していたのかMIセット(心筋梗塞治療セット)を素早く出してくる八原くん、さすがですね~^ ^
その他 急性大動脈解離など

✲呼吸困難
90歳男性。特別養護老人ホーム入所中
3日前から食事でムセあり。咳、痰、発熱あり
SpO2低下あり救急車要請☎︎

もともと認知があり疎通困難 咳が出る

患者に自覚がなく咳をしながら笑っている
病院へも行かないと言う
患者役の演技が上手すぎて受講生もスタッフも思わず笑みが。。

施設職員役~ 笑いをこらえながら情報を伝えます笑
病院前ポイント
誤嚥性肺炎を疑い、肺雑音聴取、モニター、酸素、バイタル注意しながら搬送。
BP140/80 HR90 SpO288%
自覚なくSpO288%…怖いですよね~
病院到着後

身体所見、採血、血ガス、胸写、CTにて誤嚥性肺炎と診断し抗生剤投与
振り返り・反省点
実際このようなケースもよくあり、自覚なく抵抗する患者への対応や観察、情報収集などがとても重要になってくる

✲腹痛
術後イレウス
胆嚢炎のシナリオ



途中参加の竹本救命士 はりきってます笑


激しい腹痛への現場での観察、対応、情報収集
病院での初期診療、検査や素早い処置対応などが問われる





真剣に取り組む姿(所により笑いあり笑)を
嬉しそうに見守る加藤先生

目が開いてませんよ?笑
真紀子さんグループ


ホワイトボードを使って振り返りをしていました。
各シナリオが終了し、最後はポストテスト

コース前と後での受講生の変化をみる

終わって達成感とホッとした表情

途中参加の横地師長さんも笑顔でピース♪

コースを修了しての感想を一言ずつ話していただきました

福浦救命士よりまとめの感想

反省点や良かった点、今後の課題など語って下さいました。
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今回 MEIトライアルコースを通して、
病院側スタッフと救急隊の役割をシャッフルさせてロールプレイした事で、お互いの視点、視野が広がったのではないかと思います。
病院側スタッフからは「救急隊が現場から病院までどれだけ大変なことをしているのかを初めて知ったし、それを考える良い機会になった。今までは早く連れて来ればいいのに~と思う事もあったけれど、なるほどなぁと思った。良かった!」という声が聞かれ、とても嬉しかったです。
病院前から病院到着後までの流れが、今まで以上により良い連携が取れることに繋がればと心から思っています。
消防と病院が協力し合い、より質の高い医療を目指していきたいですね^ ^
終了後は、消防の温かい珈琲をいただきました♪
皆さん良い顔してますね~

消防勤務メンバーは夕食の支度をしてます


美味しそうでした~
ワイワイと賑やかにしてすいませんでした
^ - ^
勢いに乗ってしまった真紀子さん
コスプレしちゃいましたね笑

似合いすぎ~!笑

半日コースでしたが本当に真剣ながら楽しい勉強会になりました。
勤務にも関わらず参加協力して下さった隊員の方々、本当にありがとうございました。
半ば無理やりでしたが参加して下さったベテラン看護師の方々、本当に嬉しかったです。
まだまだ救急外来に関わるスタッフの皆さんに参加していただきたいと思っています。
MEI第2弾楽しみです♪
ありがとうございました。

外来 T