第5回 島根県メディカルラリー大会に参戦して来ました。
場所は松江消防学校
メディカルラリーは
医師、看護師、救命士、救急隊の4人でチームを組み、あらゆる症例の模擬傷病者の救助や診察を行って状況把握の早さや処置の適切さ、チームワークなどを競うもの。
産科救急・新生児蘇生、小児救急、内因性疾患蘇生、交通外傷、災害多数傷病者対応。。
丸1日かけてこの5症例にチームでチャレンジしてきました。
当院からは酒井医師、看護師は佃が、
隠岐消防からは竹本救命士、重栖救急隊員が参戦しました。
どんな内容の症例を提示されるかわからない不安感や隠岐の名を背負っているプレッシャーで私は明け方まで緊張のあまり記憶が………笑
ラリースタート前
元気が取り柄の隠岐チーム
頑張ります!!
最初に提示された症例は分娩ブースでした。
詳細は省略しますが それは内容の濃いものでした。
加藤先生、加藤助産師のお膝元の隠岐チーム…頑張るしかありません!
母体観察や出生後の新生児の観察、処置…スキルと柔軟性が問われる内容でした。
出生した新生児がCPAに…無事蘇生させ、母体への適切な処置もできました。
笑顔ですがみんな物凄く緊張していました(笑)
名演技の加藤助産師さん✨さすがリアルでした。^ ^
屋外での交通外傷は実際に救急車に乗車して現場に向かうところから始まりました。
画像の通り騒然とした事故現場でいかに迅速に安全を確保し、重症度を判断、必要な処置をし応援要請をかけ、応援隊が到着するまでの間にどれだけの事ができるか…
チーム力と個々のスキルが試される症例でした。
事故現場に居合わせた人や野次馬の人たちもひとつの鍵に。
『医療関係者はおられませんかー?』と大声で呼びかけ、いなかったので現場で確保した左右2本の静脈路〔点滴〕を取り囲む人々に持って貰うなどの協力を得たり、
救命士、救急隊員と私たち医師、看護師はふた手ににわかれて救命にあたった為、頚椎保護する人員が必要で、現場にいた人にその場で指導し協力して貰うなどしました。
救命士と隊員は煙の上がる軽トラックから早急に傷病者を車外へ救助するためJPTECで培った技術で素早く救出していました。
その後、軽トラックの助手席に同乗していた老女は怪我はないが認知で意識状態の悪い運転手の情報が全く得られず……
さらに徘徊。。さぁ、どうする?
もの凄く頭をつかう症例でした。
反省や振り返りをし、気持ちを切り替え次の作戦を練る。
小児ブースでは苦手としていましたが、救命士の的確な判断とチームの連携で高評価をいただく事ができました。
印象に残るパチンコ店で胸痛を訴えた中年男性の症例。
騒音の中でチームメンバーの声が全く聞こえない状況下。
傷病者の声も全く聞こえない。目で見る情報しか入らない…
私たちは大きなジェスチャーでその場で処置するよりも救急車内へ早く移動し、騒音を脱して処置する方法にしました。
傷病者はCPAに…刻一刻と変化する重症度…
DC装着、CPR、挿管、輸液、薬剤、原因検索…
限られた時間で最大限に知恵を振り絞りチームワークで救命に挑む。
とてもリアルで熱くなる症例でした。
騒音の中でのチームワーク。判断。
物凄く大きな学びになりました。
最後のブースは災害多数傷病者対応症例。
暗闇の中で横たわる多数の傷病者をトリアージし必要な処置を迅速にしていく。
あの暗闇の災害現場傷病者収容所を再現した独特の雰囲気にのまれそうで、動揺する気持ちを落ち着かせ、冷静な観察と判断、処置に集中するために想像以上にエネルギーを使いました。
このブースでの反省点は計り知れません。
勉強不足と経験不足を痛感しました。
この学びから まだまだ勉強しよう!という意欲が湧いてきました。
途中 BLSのコーナーがあり
どれだけ的確、適切な心臓マッサージができているかを評価するブースもあり、救命士と救急隊の二人にチャレンジしていただきました。
かなりの高得点でした。
さすがです!
物凄い緊張感の中、ひとつひとつの症例に挑むうちにチーム力がどんどん上がっていくのを感じていました。
最後にDMAT、レスキュー隊、災害対策本部などになるCSCATTTデモが行われました。
災害時の瓦礫の下敷きになった傷病者を救出するという内容。
デモを見学させていただきとてもとても勉強になりました。
私自身も災害支援ナースとしてまだまだ勉強しなければならないことだらけだな…と思いました。
そして全ての項目が終わりいよいよ結果発表です。
島根県全域から参加した全10チームで表彰式。
それぞれがそれぞれの想いを抱いて挑んだ大会。
皆の緊張感が体育館に漂っていました。
第3位 … 江津チーム!
あぁ…ダメかも…ダメだったね…思わず呟く…
第2位 … 隠岐チーム!!
えー!?やった! やったぁ~~!!
飛び上がって喜びましたね(笑)
本当に心底嬉しかったです。
胸も熱く、目も熱い…
案内人を1日して下さった西藤救命士。
冗談を交えながら励まし続けてくれました。すっごく緊張感をほぐしてくれました。
心からありがとうございます。
主催スタッフとして活躍された加藤先生、福浦救命士、加藤助産師、デモ出場した村田救命士、本当にありがとうございました。
日頃からお世話になっている隠岐消防の皆さん、
隠岐チームは皆さんの力に支えられ今回の大会にチャレンジする事ができました。
感謝でいっぱいです。
隠岐だからできない…ではなく
隠岐だから、島だからできないことがある中で
できる事も、しなければならない事もたくさんあります。
隠岐だからこそできるやり取り。
ドクヘリとの連携や他の病院との連携もとてもとても重要だと思いました。
今回のように島の外に出て、本土のチームと同じ土俵に立たせていただき自分たちの力を知るという事は本当に刺激にもなり、プラスな事だと思いました。
これからも病院だけでなく、『隠岐の島の医療』という広い視点で日々の現場に活かしていきたいと思います。
島の医療。
わたしたち医療従事者が一つ一つの事に真剣に取り組み、良い連携を取って行くことが島の住民の方々の信頼に繋がるのではないかと思います。
そして病院での日々の患者様との関わりを大切にしたいと改めて思いました。
メディカルラリー関係者の皆様、また、1日傷病者を演じて下さった消防学校の学生の皆様本当にありがとうございました。