「 療育プログラム」が自閉症児のわが子の「心を壊した」のではないか?  | 言語聴覚士が教える、幸せな赤ちゃんやこどもが育つ発達のヒント

言語聴覚士が教える、幸せな赤ちゃんやこどもが育つ発達のヒント

発達支援を学ぶことで、赤ちゃんとこどもたちが、幸せになる支援方法を知ることができます。
言語聴覚士として、25年以上臨床を続けてきた経験を、皆様にお伝えしています。


この論文は、
「子どもの心と脳の発達」の第1巻に掲載されました。

この佐藤さんは、
NHKの特集のテレビでドキュメンタリーとして、
放送されたこともあります。

すばらしいTEACCHのテクニックを使い。
みごとな自閉症のこ育てを実践されました。


まさに、
優等生のママ。


そして、みごとに、子どもたちが成長していくことが
拍車をかけたのです。

そして、本当の子育ての大切さを
見失っていたことに。

お子さんが中学生になったときに
気づかれました。


子どもたちが壊れてしまった・・・・のです。



自閉症のお子さんであっても、
他の発達障害児のお子さんであっても。

健常といわれる子供さんであっても、

わすれてはならないことがあります。


それは、
「この世でたった一人の人間を育てている」ということ。


自閉症は、感情がないのではありません。
感じる心がないのでもありません。

感じ方が違う。
感情の表現の仕方が違う。。。


それなのに、
自閉症のお子さんを
パターンにはめていく育て方。

ご褒美で釣りながらしつけていく方法。


構造化された生活だからと、
四角四面な生活の実行。



特に、
自閉症のお子さんは、
問題行動が大きく表現されるだけに、
一時期は、本当に子育てが大変です。

でも、
その山を乗り越えると、
お母さんには自信が育ちます。


そう、
がんばれば、子育てには、結果がでる!


危ないのが
この、思い込み。


成功体験を得た母親は、
どんどん成功体験を積み重ねる罠にはまっていくのです。


そう、
「がんばったら、がんばっただけ結果がでる」


これほどに、
人間を夢中にさせることはありません。



でも


でも


でも



実は、子育ては、母親ががんばったらがんばった分、
子供た育つっていうような
単純な仕事ではないのです。


母親は、あくまでも、土でしかないのです。


母親からの栄養で育つけれど
いくら、土がよくなっても、

もともと、ひまわりの種だったら、
ひまわりしか咲かない。

どんなにがんばっても、
チューリップにはならない。


これは子育てをあきらめろ!というのではなくて

親の思い通りの子どもに育つことは
ありえない!ということをいいたいのです。


子どもって、
親が理想に描いたこととは、
かけはなれた成長をするものなんです。


子育てで、我が子が自分の思い通りの成長をするとき、
母親は、ランナーズハイのような状態になります。


それが、
とても危険なのですね。


親にも心があるように、
子どもにも心がある。

人格がある。


自閉症のお子さんの子育ての理解がすすんだから、
そのまま突き進むのではなく、

その次には、
「子どもの自立」の方向で子育てを変換し、

過干渉な親から
脱皮することが必要となってきます。


昨今の、障害児教育ブームをみていて
10年後に、この親子はどうなるのだろうか・・・と
ふと不安がよぎるのです。