台北の夜市でも見かける

「棺材板」という食べ物。


油で揚げた食パンをくりぬいて

中にクリームシチューを入れた名物料理です。

棺桶に似ているので こういう名前になったそうです。




いわゆる小吃と呼ばれるスナックメニューには

台湾南部の台南発祥のものが多くあります。

台湾語で「たあみぃ」という『担仔麺』も台南が発祥の地です。

台南は いわば小吃の本場。

ならば 行かねばなりますまい。






台湾高鐵(新幹線)ができたおかげで

南部へのアクセスは飛躍的に向上しました。

台北から日帰りだって充分可能です。





台湾南部の高雄から在来線特急「自強号」で30分ちょっと。

小旅行ほどの時間も無く着いてしまいますが、

せっかくの鉄道旅行なので

台鉄名物の駅弁「便當」を購入。


亞洲イキアタリガッカリ
台湾の駅弁は 日本の物のように

駅ごとの特色は無く、

どこで買っても 基本的にほぼ同じ内容です。

ある意味 これが名物である理由かもしれません。

メインは排骨。豚の骨付き肉を揚げて甘辛く味付けしたものです。

これに煮卵と高菜 さらに さつま揚げ的なものが、

ご飯の上に盛り付けられています。

シンプルですが 五香粉の香りが嬉しい一品。

旅のお供にはちょうどいいサイズです。

日本円で200円くらいですし、気軽に食えます。




台湾旅情をそそくさとかき込むと もう台南。


亞洲イキアタリガッカリ
大きな駅です。

新幹線の台南駅は とんでもなく離れた郊外にできましたので、

台南市の散策には在来線のこの駅を

起点にするのがいいと思います。

一昔前の日本の大きな駅のような雰囲気が

懐かしさを醸し出しています。



駅を出ると駅前のロータリーがあり、

市内バスの停留所があります。

目指す先は「西門路」のあたり。

バス停に掲示された路線図をたよりに

乗るべきバスを探します。


亞洲イキアタリガッカリ
台南のバスは 電子マネーのプリペイドカードが使えます。

しかも、高雄のカードと共通化されていて便利です。

台湾全土で共通化されると

より便利なんですけどねぇ…。


亞洲イキアタリガッカリ
台南市内のバスは 18NT$均一ですので

小銭さえ準備しておけば カードが無くても安心して乗れます。

とにかく18元払えば怒られません(笑)




何となく「西門站」というバス停で降りて

地図を頼りに「康楽市場」を目指します。

この市場は通称「沙卡里巴」と呼ばれています。

「サカリバ」です。

つまり 日本時代から「盛り場」だったところですね。



なんとか小さな商店が細い路地に密集する

市場にたどり着いたものの、

お目当ての『赤嵌棺材板』の場所がわかりません。

迷路のような市場をさまよい、

ちょっと諦めかけて 市場前の道を渡ったところで

タバコを吸いながら 市場全景を眺めていたら!

看板発見。


押して駄目なら 引いてみなければ!



看板の下の路地を入ったら

あっけなく見つかりました。


亞洲イキアタリガッカリ



この店こそが 「棺材板」の発祥の店です。

台湾各地から この店を目指して客がくる割には、

そっけない構えであることに好感を持ちつつ

いよいよ「棺材板」を注文。

すぐに やってきました。


亞洲イキアタリガッカリ
こんがり揚がった食パンから

はみ出すクリームシチュー。

いっしょにナイフとフォークが出てきます。

洋食扱いなのです。

メニュー誕生秘話は 店に掲げられていますし

公式のHP にも詳しく書かれていますので

端折ります(笑)




西日本人の僕にとっては

正直 少しばかり味が濃いです。

でも なるほどここで生まれたメニューが

台湾全土に広まるだけある

美味しさだと思います。

濃い味が パンのほの甘さに滲みて

たいへん相性がいい。

揚げたパンの表面のサクサクさと

トロリとしたシチューの対照的な食感。

いやぁ、なかなか実力のある小吃です!


「棺材板」には食べ方があるそうです。

まず蓋を食べる。

次に中身を食べる。

そして棺桶を食べる。


こうしないと

ナイフを入れた瞬間 シチューが流れ出し

悲惨なことになってしまうので要注意です。




油で揚げずに トーストすれば

もっとあっさり食べられるでしょうか。

家で簡単に作れそうなので、

やってみる価値はありますね。



棺桶を食べてしまうなんて

縁起がいいではないですか。