それは5月1日。

いろいろと面倒を見てくれる叔母から、
出し抜けにメールが来た。


【件名:出もの】


オナラでも止まらなくなったか、と思った。
気楽に本文を開いた。

なのに、それは我が家のこの先10年以上に関わるものだった。
出もの、は、もらい手募集の子猫が出たぞ、の意だったのだ。

ダンナはアンチ猫派、というわけでもないが、
猫の爪被害をいたく懸念していて、
それが我が家にこれまで猫がいない理由だった。

でも、メールに添付された写真に写った子猫たちは、
ダメもとでも頼んでみてくれ、と言うかのように
皆 大口を開いている。

・・・じゃあダメもとで。

5段がまえぐらいで食い下がる方法を考えていたのに、
意外にもダンナはその1つを口にした時点で
あっさり了承してくれた。

「じゃあ5日に顔合わせね」

そしてあたしは便秘の子が出ものを待つように
それから4日間、焦れて焦れて焦れながら日を送るのであった。