学園コメディ「ブックスマート」&卒業パーティー (画像追加あり) | la petite chambre

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✳︎映画のパンフレットが見つかったので少し画像追加しました✳︎
 
前記事でアップした「ドント・ウォーリー・ダーリン」に続いて、

今回はオリヴィア・ワイルドの監督デビュー作「ブックスマート

について。

3年前に映画館で見た感想を下書きで残したままだったので、

そのメモを元に書きたいと思います。

 

 

 

「ドント・ウォーリー〜」はお洒落なシリアスSFスリラーで

イメージは付きやすいけど、本作は下ネタ多めなぶっ飛んだ

学園コメディで、美人女優の監督デビュー作なのが意外でした。

俳優としてのキャリアは長く出演作も多いけど、初見の作品が

「リチャード・ジュエル」と最近でした。

出演作をあまり見たこともなく、監督デビューの本作に続いて

「ドント・ウォーリー・ダーリン」(助演として出演も兼任 ) も

ヒットして成功してるので、監督業の方が向いてる気がします。

 

 

 

まず、タイトルの「booksmart」について、どこで区切るか、

books-mart (本屋?) か、book-smart?なのか。

正解は後者で、本から知識を得る学識ある高学歴の優等生、

いわゆるガリ勉で、実経験は乏しく世間知らずで社会的成功を

収める賢さ (地頭の良さ) ではない皮肉を含めた意味だそう。

 

「ブックスマート」は卒業目前の高校生を描いた青春映画で、

アメリカのティーン映画は、卒業パーティーをモチーフにした

人気作品が数多あります。

古くはロマンティックな「プリティ・イン・ピンク」、

儚くガーリーな「ヴァージン・スーサイズ」、

「レディ・バード」のようなビターなシニカルコメディ、

青春要素もある伝説的スリラー映画「キャリー」、

最近ではスピルバーグの自伝的映画「フェイブルマンズ」の

終盤のプロムシーンも印象的でした。

同じ「卒業パーティー」のテーマでも多種ジャンルがあり、

「ブックスマート」は個性豊かなキャラクター描写が巧みな

群像コメディです。

 

 

 

主人公のモリーとエイミーはガリ勉タイプの優等生コンビ。

モリー (ビーニー・フェルドスタイン) は名門大学に進学する為に

恋愛や遊びを封印し、必死で努力して希望通りの大学への進学が

決まって喜ぶが、チャラいクラスメイトが名門大学への進学や

有名企業に就職が決まったという話を聞いて愕然とする。

一方、隠れレズビアンのエイミー (ケイトリン・デヴァー) は、

片想いの人気者の女子をこっそり見守るだけのシャイガール。

冴えない高校生活を過ごした2人は、卒業パーティーで最後に

ハジケまくって青春を取り戻す!と決意。

戦闘服のようなお揃いの繫ぎ服を着てパーティーに乗り込み、

クラスメイトたちと関わり、気付かなかった価値観に目覚め、

卒業式を迎える…というドタバタ青春劇。


ビーニーとケイトリンのダブル主演で、ぽっちゃりで口達者な

キャラ強めなモリーに対し、少し控えめで繊細なエイミーで、

対照的な2人。

ビーニーは「レディ・バード」でも個性的なコメディエンヌ、

ケイトリンは「ショート・ターム」でナイーブなティーンが

印象に残る役どころでした。

 

 

 

映画のプレミア・パーティーの時の2人。

映画でボーイッシュなケイトリンが、パーティーではガーリーな

スタイリングでキュート。

 

サイドキャストも個性的な面々で、特に気に入ったキャラは、

クールなレズビアン美女、ホープ (ダイアナ・シルヴァーズ)、

エキセントリックなぶっ飛びガールのジジ (ビリー・ロード)、

ひょうきんなアジア系スケボー男子のタナー (ニコ・ヒラガ)。

 

ヒッピーっぽいファッションでクールなレズビアンを演じた

長身でスレンダーなダイアナ・シルヴァーズの美しさに釘付け。

「アデル、ブルーは熱い色」でクールでセクシーなレズビアンを

演じたレア・セドゥにときめいて以来ドキッとした。

若い頃のリブ・タイラーやジュリア・ロバーツを思わせる顔立ち

フリンジのファッションとクールビューティな魅力とオーラは

「バッド・チューニング」のミラ・ジョヴォヴィッチっぽさも。

(ミラはこの時が一番美しくオーラがあった)

 

インスタでも、フェミニンなファッションよりホープのように

ユニセックスなスタイリング多めで、モデル業もやってるので

カッコいい写真が多い。

「ブックスマート」の画像があまりなくて、本作以外の方が

いい写真があり、彼女をモデルにドローイングも描きたいので、

別記事でまたアップしたいと思います。

 

ジジ役のビリー・ロードは、キャリー・フィッシャーの娘。

お母さんより可愛くて華があり、今作が初見だけど、

エキセントリックなキャラがピッタリ。

車でハデに登場するシーン↑はバカっぽくて最高。

若く見えるけど、他のキャストより少し年上らしい。

 

消化器持ったタナーがド派手にスケボーで登場するシーンも

バカなノリとコミカルさがツボ!

演じるニコ・ヒラガは日系アメリカ人で、イケてる感じの

「鈴木福くん」で笑顔がチャーミング。

ニコ (正式名称はニコラス) って名前も可愛い☺️

スケボー上手いと思ったら、本職はプロのスケートボーダー。

映画では飄々とした三枚目キャラだけど、プライベート写真は

キュートでモテそう。

エイミーが片想いするライアン (ヴィクトリア・ルエスガ) も 

スケボーのシーンがあり、彼女も現役スケートボーダーらしい。

 

一昔前はアジア系俳優は、悪役やキモいモブが定番だったけど、

タナーは茶目っけある好感度あるキャラで、ヒスパニックや

ネイティブアメリカン、アフリカ系、オタク、LGBTなど、

リアルなバランスの多様性。

それぞれ意味のあるバランス良いキャスティングで現代的。

主人公もぽっちゃりなガリ勉女子と陰キャな隠れレズビアン、

2人が恋する相手も、ティピカルなイケメン白人男子でなく、

陽キャなヒスパニック男子 (メイソン・グッディング=

キューバ・グッディング・Jrの息子) とボーイッシュな女子。

 

アメリカのコメディ俳優詳しくないけれど、大人キャストも

人気のコメディアンが多数助演してるらしく、わかる範囲では

ハイスクール映画「小悪魔はなぜモテる?!」で先生役の

リサ・クードローが、今作では主人公の母親役で出演。

マーヤ・ルドルフも声のみの出演してたらしい。

 

青春映画に下ネタは付き物とは言え、女性監督作品にしては

ちょっと多過ぎて食傷気味ではあったけど、友情や青春を描き、

主役から端役までクセ強なキャラ揃いの群像劇が見どころで、

「初体験リッジモントハイ」「バッド・チューニング」のような

スター候補の逸材がいそうな作品。

 

 

アメリカのスクールノートをイメージしたパンフレット。

赤のモリー・バージョンと2種類で、私はグリーンの表紙の

エイミー・バージョンを購入。

中はスクールノートらしく時間割表と遊び心があるデザイン。

ポスターの筆記体の 'booksmart' ロゴもポップで好き。

パンフのデザイン担当はおなじみの大島依提亜さん。