片方の手をぐるりと捻ると、変な液体が滲み出てきた。臭い。
ポトリ。
ポトリ。
それはみるみる広がり、アレみたいな大変な醜態と化した。
ヘイ!パラダイス!
僕の脳味噌ははじけとんだ。ヘイ!気持ちいいねぇ!
あれに見えるは富士山のテッペン。ヘイ!ラララ~。
そして沈みゆく頭皮。
くったりとのっぺりと綺麗に、そして淋しげな花園と化してゆくのだ。
のだ、のだ、のだ~、と言ってみても何一つままならないのである。
人妻に聞いてみても、ポケットに入っているコンセントをオンできないと言うので
鼻汁を付けたティッシュを返してやってみたが、効果があったかどうかはガードマン
に聞いていないので分からない。

英語ばかりしゃべっていると脳がごめんなさいを言う。
知らない。そんなの。すでにそんな時間は終わってるんだぜ。糞屑野郎が。
こ綺麗な中年女性が小股で横切るそのタイミングを逃しちゃいけねぇ。
うそー、と言ってる間に過ぎちゃうぜ。
一瞬だぜ。
嘘臭いぜ。
でも、微かにカボスの匂いと犬の体臭と一夜干ししたニシンの香りがするんだ。
それって、ぐっじょぶ!