6月29日。

 前日の雨とはうって変わって、雲間から青空が覗く天候となった。

上高地は中部山岳国立公園内にあり、観光客が押し寄せる。

この日は欧米系、中国系、インドネシア系のインバウンド。

 

 上の写真で、赤く示された現在地と書かれたバスターミナルまでは

ツアーバスや路線バスは乗り入れられるが、自家用車で訪れた人たちは遥か下の駐車場に

駐車してから路線バスに乗り換え、バスターミナルで降車。

それから思い思いの散策となる。

 

 私は、バスターミナルより3キロメートルほど下の地点から

写真のような遊歩道を延々と歩いた。

 途中、サルと遭遇したが、豊富な食物に恵まれているせいか、

人間を見ても襲ってこない。

 但し、サルは目が合うと襲いかかるので、知らん顔して通り過ぎる。

上高地のサルは世界でいちばん標高の高い所に生息している。

 冬は梓川の魚を捕って食べ、知恵を働かせて生きている。

 

 上の写真は焼岳と大正池。

焼岳は活火山なので、こんもりとした形だからすぐわかる。

この火山の噴火による溶岩と土石流が、川を堰き止めてできたのが大正池である。

 私が子供の頃、この山が水蒸気爆発したのを覚えている。

間近に見るのは今回が初めて。

池のそばで、写真を撮る人や風景画を描く人を見かけた。

 

上の写真は梓川。松本市街地を流れる梓川は川幅が狭いのに、

ここでは広い。普通、山の方が川幅は狭いのだけれどね。

川に沿って更に歩いて、河童橋に到着。

梓川の水は澄んで川底が見える。

 ベンチやテーブルが多くあり、観光客でいっぱい。

 

 晴天なら橋の向こうに、穂高連峰が屏風のように聳え立つ。

 前日の雨のせいで雲がかかっていて山容は見えずじまい。

 

 私は河童橋までしか歩かなかった。

そこまではウォーキングシューズやスニーカーで行ける。

そこから先はトレッキングシューズ推奨となる。

 

 河童橋から更に3kmほど行くと

お船祭りで有名な明神池がある。

 お船祭りは安曇野市の穂高神社でも行われる。

ご神体は穂高岳なので、そこまで行ったら山に向かって

手を合わせるのが礼儀。

 

 土産物店、レストランやホテル、トイレも河童橋のそばにあるので、

山の中とは思えない。トイレは有料。環境省の管轄か。

 

 ベンチに座って昼食のサンドイッチを食べ、バスの発車時間まで

読書を。

 川のせせらぎ、ウグイスの谷渡り、山鳩の声、梢を揺する風のささやき。

f分の1のゆらぎ。いつの間にか夢心地。

 大自然の神様に感謝。