この本を読むまで大きな誤解をしていました。

白内障という目の病気は、特殊な状況や基礎疾患がある人に起こるものと思っていたのです。

 それは、目の中にある「水晶体」というカメラで言えばレンズの役目を果たす部分が白く濁ってくる病気です。

 

 持病のある人では20歳代から発症する人も。

健康な人でも加齢に伴い誰にでも起こるという事を知りました。

 発症率は、健康な人の場合、早ければ40歳代から起こり、

50歳代で54%、60歳代で83%、70歳代で97%、80歳代で100%。

 

 恐ろしいことに、徐々に進行するので気が付かない人が多いとのこと。

自覚症状として、夜間のクルマの運転時に周囲が見えづらい、対向車のライトが眩しい、眼鏡が合わなくなった、部屋が暗く感じる、モノがぼやけて見える・・・など。

 トシのせいだと勝手に思ってしまうことです。

 

 この本には、白内障のメカニズム、いくつかある手術方法、健康保険が利くものと自由診療のもの、手術で水晶体を取り出した後に入れる眼内レンズの種類、合併症などのリスク、最新治療法など、白内障に関する情報が盛りだくさん述べられています。

 まさに目からウロコ。

 

 最も危険が少なく、正確で、患者への負担が少なく、10分程度で終わる手術の方法として、レーザー手術を推奨しています。

 

 この方法の金額をネットで調べてみました。

 地域や病院(眼科医)によって違いますが、レーザー手術で多焦点レンズ(遠・中・近距離が見えるレンズ)を入れた場合、片目で約50万円~70万円です。手術は片目づつ2週間くらい間をあけて行います。

 

 手術は約10分で終了するとはいえ、遠方から名医を頼ってきた患者さんは宿泊を余儀なくされるでしょう。そうした場合の入院設備のある病院(医院)を利用することになり、交通費や宿泊入院費も計算しておかなければなりません。最低200万円必要でしょうね。(技術革新が今より進めばもっと安くなるとは思いますが・・・。)

 老後資金には、こういうことも考えておかねばなりません。おカネだけに。

 

 白内障が軽度のうちは、進行を遅らせる目薬が眼科医から処方されます。

あくまで進行を遅らせるだけで、治せるものではないのです。

 

 医学と栄養学の進歩で現代人は長寿になってきているのは喜ばしいことですが、それに伴うリスク(健康面、経済面)も大きくなっているんです。

 中高年の皆様、一度眼科で視力検査以外の検査をなさってみてはいかがでしょうか。

 目の病気も早期発見が大事です。