やっと園子温監督の作品を観た。
今まで気になってはいたものの、作品によって観た人の評価が別れていたり、鬼才、エログロ、バイオレンス、という言葉を観ると「苦手なタイプかも・・」と思っていた。
でも、先日TVのインタビュー番組でご自身を拝見して、丁寧に自身のことや映画のことを語っていて、興味がわいた。
映画「ヒミズ」は原作とラストが違うらしい。
それは「原作が描かれた今と3.11を体験した今とは時代が違うからだ」と説明していた。
「ヒミズ」はエログロではないけれど、バイオレンスはある。
精神的、肉体的なバイオレンス。
映像がまるで散文のようだ。
園監督は詩人でもあったっけ。
観ていてドフトエスキーの「罪と罰」を連想していた。
もちろん、ラスコーリニクフは「おまけの人生」で悪を殺そうとしたのではないけれど。
幼児虐待を受けていた友達も思い出した。
その話になると、30過ぎていても「親が憎い。俺の幼少期を返してほしい」
と顔つきが変わった。
彼の中にも暴力的な臭いがあった。
その彼も「罪と罰」を愛読していた。
映画の感想はうまく書けない。
きっと書いても、私の文章力ではぺらぺらな感想しか出て来ない。
「心の闇」と書いても、その深さは思うように伝えられない。
エロもグロもバイオレンスも、人間の本質の中にあるものなんだ。
そして優しい気持ちも。
「ヒミズ」の原作のラストは想像できる。
映画のラストが違っていてよかった。
「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」も観てみたい。
ヒミズ