「理事長さんて、○○屋さんのご主人なので聞いてもらえますか?」

はぁー。理事長って・・・。



気を取り直して、そのお店に電話してみる。



「ああ、店舗のことは、理事長にしかわからないんだけど、今、出かけていてねぇ」



いや、これは、行ってしまった方が早いでしょ。



で、お店に行って見たんだけど、また、理事長は、お留守。


でも、どうやら、そこの商店街の組合の長がその理事長さんてことらしいので、少し様子がわかってきた。


商店街の空き店舗をどうにかしようと理事長さんがまとめ役をやっているみたい。


しかし・・・

気分萎えますなぁ。

空き店舗埋めるきがあるんすか?ほんと。

手ぶらで帰るのもなんなので、

メンチとコロッケお買い上げ。



さらに数日後、

また、メンチ買うことになるかと、

戦々恐々としてたら、

お店のおばさん、私の顔を見た途端、

あっ!と言って走り去った。

うーん、今日は、メンチじゃなくて、玉子焼きにするか?


しかし、これって買ってもらうための策略じゃないだろうなぁ。



あれ?店のおばさん、インターホンで誰かと話してる。



理事長、休憩中だったようです。



ふらりと現れた理事長は、ひょうきんそうなお方。



「空き店舗探してるんだって?なにするの?」




「スープ屋やりたいんです」




「ほー、スープ屋!じゃ、早速見に行くか」



と連れられていった先は、

コの字型になった空間。




換気扇があったらしい壁の穴、

ベニヤ板みたいな壁、

床もガタガタだし、




「ガスはきてないんだよね、水道は、あったかなぁ?んー」




「これで何坪ですか?」




「んーー」

といいながら、理事長、おもむろに歩き始めた。

「俺の一歩が、、、だから、五坪くらいかねぇ?」




図面も何もないんですねー!



次に連れて行かれたのが、

「今、商店街の印刷室として使ってるとこなんだけどね、ここでもいいよ」



歩きながら、商店街の人達に私を紹介していくので、金物屋さんも一緒についてきた。



「狭いけど水もきてるし、エアコンもあるし、トイレもある」




「理事長、印刷室貸しちゃだめでしょ?」

と金物屋さん。




「いいじゃん、他の空いてるとこにまた印刷室つくれば?」




「いや、そんなんじゃ、困るでしょ?だいいち、スープ屋だから、キッチンの目の前にトイレがあっちゃダメでしょ?」




狭い三坪ほどのスペースに思いっきりトイレがある感じ。

「これじゃ、冷蔵庫置いたら、ガス台おけないかも」と私。




「ポータブルのガス台じゃダメなの?」

と理事長。

バーベキューパーティーじゃないんだからさぁ。


闇市感覚ですね。


「あとはねぇ・・・」


商店街の中をうろうろする私達。


お肉屋さんやお漬物屋さんとご挨拶。




「この辺りに昔、食べ物屋さんやっているところありませんでしたっけ?」


と聞いてみると、


「ああ、ここね、○○不動産が扱ってるから、聞いてみたら?」




思った通り、商店街の人達はすごくいい人たちばかりみたいで、とっても気に入ったんだけど、


物件が・・・。


「なんなら、あそこに水道ひいてもいいよ」


うーん、それだと、随分お金がかかりそうだ。




大体、店舗に改装するには、いくらぐらいかかるのか?


商売やっている友達に聞いてみたら、


「坪30万から100万くらいじゃない?」


・・・って、かなり幅があるじゃないですかぁ・・・。




イートインなしで、テイクアウトのみの小さいお店にしようと思っていたので、


3坪ー5坪って思ってはいたけど、


5坪とすると、150万から500万かかるってことですよね?




改装だけでそれだけかかるとなると、


うーん、いくらあれば足りるのだろう???