私は目撃していないのだが、長女からの話によると、
長男、18歳にしてこっぴどい勘違いをしていたらしい。
といっても、私も18歳の時はそんなこと知る由もなかったので、
子供たちの方が立派だと思うけど。
というのは、珈琲。
私は珈琲大好きで一日に何杯も飲む。
豆を挽いてドリップしたあの香り…!
何とも言えない豊かな気持ちになるのだが、
3年前離婚してからは、生活が大変で、自分の嗜好品にはお金をかけないようにしていた。
だから特売のインスタントコーヒーで済ませる。
最初のころは嫌だったが、慣れると普通においしく飲めた。
まぁ、味より香りが残念だったが。
年に1度か2度、3人の子供たちの誰かが、
母の日か誕生日にスタバの100グラム1000円位する珈琲豆をプレゼントしてくれて、
ありがたく、大事に飲むのが贅沢な一杯へと変わった。
なので、子供たちは私が豆を挽いてドリップする姿を余り見ていない。
インスタントの瓶から粉をマグカップにバッと入れてお湯を注ぐ姿の方を見慣れている。
だから、だろう。
きっと私が悪い。
教えなかったんだもの…。
高校を卒業し、オンライン講義で上京できずに自宅で過ごしていた頃、
気持ちも大人になって、
ブラックを飲んで講義を受けよう、と思ったようで、
コーヒーフィルターに
珈琲豆よろしくインスタントコーヒーを入れ、
お湯を注いでドリップした「ブラックコーヒー」を飲んでいた長男。
たまたまそれを目撃した2歳下で、
食への関心が高い長女が
「作法のあやまりを」を指摘したら、
本気で恥ずかしそうにしていたそう。
で、長男が最後に残したという言葉が秀逸。
「珈琲、消えちゃった!」
だって。
まだ、「かわいい」で済ませられる年ごろで良かったよ。
今、改めておけば社会に出て恥をかかないで済むね(笑)
かくして、我が家のマジシャンは
普通の大学生に戻ったのでした。
すみすみ心の俳句
ドリップで
おとして消える珈琲の
正体それはインスタント
はい、お粗末様でした。