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谷本雅一の日々一筆

石材加工・石積・石張り国家検定1級技能士、平成26年度現代の名工最年少受賞・技能グランプリ金賞の谷本雅一が綴るブログ。
石の魅力や職人の技を紹介します。

第68回みえ県展が、5/20(土)から6/4(日)に三重県文化会館で

開催されます。

 

 

今年も彫刻の部に出品させて頂き、先日審査結果が届きました。

 

 

 

 

 

ん?・・・・んんんん???

わぁーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!

 

 

Bに○が付いています!!!

優秀賞ってなっています!!!!!

 

 

昨年より一つ上がりました。

 

 

あまり時間がなく大変でしたが、非常にありがたい結果になりました。

 

 

 

 

今年で4回目の出展ですが、着々と有難い結果を頂けるようになってきました。

 

 

現代彫刻は本当にド素人ですので、手探り状態での挑戦をしています。

 

 

その中で、このような結果を頂けることは非常にありがたいです。

 

 

来年もまた挑戦いたします。

福島県いわき市の方へお仕事で行かせて頂いた時、

南相馬市の蒼龍寺へもお参りさせて頂きました。

 

 

 

蒼龍寺には、H25年に開催された日本石塔展覧会に出品させていただいた

八角五輪塔が納められています。

 

 

第2回日本石塔展覧会は、H23.3.11に起きた、

東日本大震災で、被災された地域へ供養塔を送ろうというコンセプトでした。

 

 

私はこの八角五輪塔を製作し、出品しました。

有難く、優秀賞を頂き、こちらの蒼龍寺へ寄贈させていただくことになりました。

 

 

設置は開催元の方がしてくださったので、実際にこの蒼龍寺へ

足を運ぶのは初めてでした。

 

 

 

 

設置してすぐのころの八角五輪塔。

 

 

 

 

設置後5年たった八角五輪塔。

手彫り・手加工の良さが増していました。

 

 

最近のお墓はピカピカと磨き、艶がある物が主流です。

 

 

完成した時が一番艶があり、一番美しい状態です。

 

 

手彫り・手加工の作品は、自然の雨風や太陽の光を浴び、深みが出て、

年月とともに美しさが増していきます。

 

 

それが手加工作品の一番の魅力です。

 

 

南相馬市へ向かう道中・被災地を見ながら走行しました。

 

 

5年たちましたが、まだまだあの時の爪痕が色濃く残っていました。

 

 

年月とともに、忘れてしましそうになりますが、決して忘れてはいけないと

改めて感じました。

 

 

今あることに感謝しなければいけないですね。

 

 

今回、福島へいかせていただけることになったのも、この八角五輪塔が

縁を結んでくれたのかもしれないと感じてます。

 

 

やっと、実際に足を運び、手を合わせることが出来て良かったです。

 

 

 

 

 

 

先日アップした五輪塔がようやく完成し、お施主様のもとへお届けすることが出来ました。

http://ameblo.jp/tanimoto1899/entry-12244248704.html

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お施主様には喜んでいただき、私自身とても嬉しかったのと同時にホッとしました。

 

 

 

 

これからずっと大切にお祀りしていただけると思います。

 

 

 

今回は、初めて一石で製作いたしました。

全てがつながって、一つの石から出来ています。

 

 

 

 

 

 

一つ打ち間違えるとポキッと折れてしまうという緊張感が半端なかったですが、

私はやっぱりものづくりが好きなので、石を叩いている作業はとても

楽しいです。

 

 

自分が作った作品には思い入れがあるので、完成してホッとして、納めてホッとして、

お施主様に喜んでいただいてもう一つホッとして、帰るときはちょっぴりさみしい。。。。複雑です。

 

 

お施主様に喜んでいただいたことはなにより一番うれしいです。

 

 

 

 

 

世の中に、もう一つ手加工の作品を出すことが出来たことに、

御縁に心から感謝しております。

 

 

これからの作品作りの励みになります。

 

 

現在は、また違う分野の作品作りに挑戦しています。

 

 

またご報告いたします。

 

 

これからもガンガン作っていきます!!

灯籠の火袋を製作するときに、深く掘るため、市販のノミでは

彫れません。

 

その時に長ノミをオーダーで作ってもらっていました。

 

 

今回のホゾ穴を彫るのに、今回役に立ちました。

 

 

ホゾ穴の大きさは、15㎝丸の17㎝深さ。

 

 

 

 

 

 

 

 

同期が工場へきてホゾ穴を見て

「機械で穴を開けたみたいにキレイ彫れてる!!

機械で穴を空けてから彫ったんでしょ?」

 

 

「機械は全く使ってないよ。全てノミで彫った」

 

 

と伝えると本当に驚いていました。

 

 

数年前に、大変お世話になっている文化財の山川均先生とご一緒させて頂いた時に、

一針薬師の磨崖仏(鎌倉時代)の笠石のホゾ穴を見せてもらいました。

 

 

その時に気になる部分があり、ホゾ穴の彫る工程途中で

止まっている部分があり、手彫りの作業の参考に頭に入れてありました。

 

 

今回の第29回技能グランプリでお手伝いに参加させて頂いた時に、

年配の職人さんに聞いてみました。

 

 

なるほど。謎はすべて解けました。

 

そして彫りあがったのがこの穴。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホゾ穴も太くしっかりはまるように14㎝丸の12㎝、あとの遊びに

写経を入れていただけるように空間を作りました。

 

 

全てノミでの手加工。機械は一切使っておりません。

 

 

蓮華(反花)は細川忠興(三斎)のお墓(利休から頂いた石灯籠)を

参考に、どのような蓮華にしようか色々考えましたが、

お施主様が茶道をされているので、茶人の関係のあるところからと思い、

大徳寺高桐院に足を運び、写真に納め、

お施主様に了解を得、この蓮華になりました。(大和型反花)

 

 

 

 

地震の多い地域に施工するので、少しでも強くなるように

反花座と基壇を一つ石で製作しました。

 

 

 

時間をかけて丁寧に、心を込めて製作させていただいています。

 

 

 

完成まであともう少し。

 

 

最後まで気を抜かずに、喜んでいただけるものを作らせて頂きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事務所で水鉢のバランスを考えてました。

 

 

 

 

う~ん。。。

 

 

こういう作業も中々大変です。

 

 

美しさを追求するのに一番大切なことは全体的なバランスです。

 

 

良いものを見て、学んで、吸収して、自分で生み出す。

 

 

大変ですが楽しいです。

 

 

人の心に残る物を作っていきたいです。