園芸家の一年 カレル・チャペック
「自然こそ最高の師である」、「自然から学べ」といった言葉は肩肘張っていてあまり好きではありません。しかし、人間も自然の一部である以上、自然界の摂理が同じく人生にもあてはまる、という説もとても理に適っているように思えます。
今日ご紹介する本の主人公は、自身が手がける庭の中で様々な苦難と出会います。
・まるで地面から産まれ出てくるかのような石たち...
・いくら抜いても邪魔をしてくる雑草たち...
・降って欲しい時には降らず、このタイミングで!?という時にやって来る
土砂降りに日照りの日々...
・種は蒔いたはずなのにいっこうに生えてこない芽...
これらは人生のおいては何に置き換えられるのでしょうか?
私たちは「出来るだけ早く、今の自分でない者」に成ろうと試みますが、
・意欲、努力があれば、花は季節外れにも咲くでしょうか?
・特別なスキルを身につけさえすれば、タンポポはバラに突然変化するのでしょうか??
この本を読んでいると、不思議なことにこんな自問自答がとまらなくなるのです。
この本は園芸狂のSF作家の日常を綴ったユーモラスで軽快なエッセイですが、
彼が手がける庭や、その植物たちの背後には、明確に人生の機微が織り込まれています。
この点が本書が長年読み継がれ、今なお愛され続ける理由なのだと思います。
本当に、本当に、不思議な魅力にあふれた一冊です。
巻末の いとうせいこう さんのあとがきも著名で、この作品に違った意味での奥行きを与えてくれます。どうか本編を読み終えたあとにお試し下さい。
この本のズバリ!ここがポイント!!
君が独りの時、本当に独りの時、
誰もができなかったことを成し遂げるんだ。
だから、しっかりしろ。
ー ジョン・レノン
園芸家はとにかく土壌(成長のための環境)にこだわる
そして偉大なるものほど、人知れず静かに芽吹くものである。
だから芽吹きまでの期間をしっかりと楽しもう。
↑「園芸家の一年」が気に入ったならこの本も楽しめないはずがなし。文句なしの名著。
↑現代生活で老子の説いた「無為自然」を実践すると、きっとこう呼ばれるようになります。
「バカ」と。でも本当にバカなのは誰なのでしょう?今こそ触れるべきが老子の言葉なのかも知れません。
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